プロ野球きょう開幕。阪神はBクラスを脱却できるのか
一方、投手陣に目を向けると、先発陣は、開幕投手を任されたメッセンジャーから、藤浪、岩貞、能見、青柳、秋山と6人がそろった。広島との開幕カードには、第2戦が岩貞、第3戦は秋山が先発予定だ。 また中継ぎにも、藤川、高橋、桑原、松田がオープン戦のチーム内競争を勝ち抜き、8回はマテオ、9回はドリスという勝利方程式を整えた。新守護神のドリスは昨季、34試合に投げ防御率2.12、8セーブ、9ホールドで救援失敗での負けが3つ。昨季は守護神だったマテオが、51試合に投げ防御率1.80、20セーブ、8ホールドで負けが3つ。制球力と空振りの取れるボールを考慮して立場を入れ替えた。いざ本番でどう機能するかわからないが、日本野球2年目の彼らの対応力アップと、先発の顔ぶれは、セでもトップクラスと言っていいだろう。しかし里崎氏は、ここにも不安があるという。 「2桁を計算できるのはメッセンジャーだけ。岩貞、青柳の2人の実績は、まだ1年だけですから、計算はできません。能見も、年齢的な過渡期にあるし、秋山も蓋を開けてみないとわからないでしょう。中継ぎも藤川も全盛期に比べると落ちていて1年のフル活動には疑問があります。また、秋山が駄目だったら? 抑えのドリスが駄目だったら? というときに、代わりの名前がスッと出てきません。不安要素は多いんです」 先発では左腕の岩田がスタンバイ、肩に違和感を訴えてスロー調整となっているが、若手左腕の横山が代役の先発候補。マテオ、ドリスが駄目だった場合に備えては、新外国人のメンデスが、2軍に控えていて、里崎氏が不安視するほど、実は層は薄くないが、1年目の変則投手ということもプラスされ他球団が苦労した青柳や、1軍レベルで、どこまで通用するか未知数の秋山が、不確定要素をはらんでいることは確か。我慢か、決断か、勝負と育成の狭間で2年目の金本監督が、どんな采配を振るうかも重要だろう。 そして、さらに問題なのが守備力である。キャンプ期間中に一度も三塁の守備練習をすることなくオープン戦から三塁の守備についた鳥谷の5つを筆頭にチームは、18試合で19失策を記録した。 遊撃の北條、二塁で開幕戦スタメン出場する上本も守備での安定感を欠く。キャッチャーは梅野でスタートする方向だが、センターラインが弱いチームに優勝はない。広島が優勝した背景には、丸、菊池、田中、石原でガチっと固められたセンターラインの強さがあった。 開幕カードは、その昨季のセのチャンピオンチーム。 「アウェーで昨年のチャンピオンチームと対戦するのも試練。しかし、チームがたくましくなったことを見せるのにはいい。打ち勝ちたい」。金本監督は、そう力強く宣言した。