共和党、大統領選で違法投票警戒 保守系団体は監視を計画
【ロサンゼルス共同】米共和党が11月の大統領選で違法投票を警戒している。投票には市民権が必要だが、連邦法が有権者にこの証明を求めていないため、不法移民が投票しかねないと問題視。専門家は実際にこうしたことが起きる可能性は限定的だとするが、取り締まりを強化した州や、投票所の監視を計画する保守系団体もある。 「(民主党が)不法移民を有権者登録している」。共和党候補のトランプ前大統領が繰り返す批判に根拠はない。だが共和党が多数を握る下院は7月、不法移民の有権者登録を防ぐため、市民権の証明を義務付ける法案を可決した。 現在、有権者登録に必要なのは、主に運転免許証や州発行の身分証明書だ。法が成立すればパスポートなどが必要になる。民主党側は、手続きが複雑になり、登録をやめる有権者が増えるリスクがあると非難している。 サンフランシスコ州立大のロン・ヘイダク教授(政治学)は、不法移民による投票は「極めてまれだ」とし、影響はほぼないとの見方を示す。