総額約9億円の過大請求 コロナ事業のコールセンター業務で不正 勤務実態を偽りスタッフ数を水増しか…2人逮捕 「やってるなって思っていました」と関係者
「NTM」が京都市と同じくコールセンター業務を委託されていた兵庫県伊丹市に提出した勤務表と比較してみると…筆跡や勤務時間が酷似。 伊丹市のコールセンターで働いた人の勤務表を京都市にも提出し、稼働人数を水増ししていたとみられます。
■「つけこむ隙がある」コールセンター運営
さらに…。 【京都市コールセンターの関係者】「私が思っている金額よりも大体6800万円くらいは上乗せされていたので、おかしいなと思っていたというところですかね」 コールセンターで働く従業員について、「NTM」が京都市と結んだ契約は、従業員が働いた時間分を市に請求する契約でした。 しかし「NTM」は、従業員がいないにもかかわらず、想定されていた勤務時間分をそのまま請求し、過大に請求した総額は9億円近くにまで膨らんでいました。 これについて調査委員会は、「NTM」が「想定の勤務時間分」を契約すると誤解した「ミス」だったと結論づけました。 しかし、関係者は「ミスなんかではない」と指摘します。 【京都市コールセンターの関係者】「京都市の職員が視察に来た時に、その時に席数が足りてなくて、『足りてないですよね』という指摘を1回しているんです。それでも『今、休憩中です』とか言って、(職員は)帰っていったんですけど。僕は『この件を墓場まで持って行ってくれ』と言われました」 “新型コロナ対応”という緊急事態に乗じて「税金」を不正に得る行為。 「NTM」は過大請求分の大半を返還したということですが、警察は組織的な関与がないかも捜査しています。 【京都市コールセンターの関係者】「コールセンターって、見えないところでやっているじゃないですか。どれくらいの人数を置けばどれくらいの電話の件数を取れるとか、そういうことを具体的にチェックしていないので、向こうの言い値で『これくらいの人がいないと回りませんよ』と言われたら、『じゃあ出しますね』で終わっちゃう」 「つけこむ隙があるので、やっぱり(不正を行ったのは)『NTM』だけじゃないかなと思ってはいます」 補助金の審査を厳しくするべきだったのか…。しかし、対応の“スピード感”が求められたコロナ事業。 このような取り組みを行う際は、スピード感と不正抑止の両立が求められます。今回の不正について、詳しい捜査と検証を行い、今後の教訓にしていかなくてはなりません。 (関西テレビ「newsランナー」2024年6月12日放送)
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