「SNS対策は必須」でも「昔ながらの選挙手法は有効」 豊田真由子氏「元秘書」が明かす自民党が“裏金で惨敗”した選挙の舞台裏
この人にならば地元や国の未来を託しても良い
「『悪名は無名に勝る』という諺がありますが、やはり一定の知名度は選挙戦で有利に働きます。仮にメディアで活躍されていた著名な候補者が、有権者のみなさんと握手したとしましょう。すると有権者の皆さんはその経験を多くの友人に話してくださって、それを聞いた方も候補者に対して少なからず親しみを持ってくださる。“元タレント”の候補者は自分がどのようなキャラクターであるかを理解していますから、有権者を魅了して票に繋げることも出来る。何かと非難されることの多い“タレント議員”ですが、短期間で名前を浸透させられ、議席を取れるという点で、その知名度は大きな武器だと思いました」 そして時代の変化を感じながらの選挙を戦ったレタスサンド氏は今回の衆議院戦をこのように締め括った。 「メディアで悪い情報を流されていたり、嫌われている候補が勝てていたりするのは、地元に何かしらの恩恵をもたらしているからだと思っています。今回の衆院選を通じて、有権者と候補者の関係性も徐々に変化していることがわかりましたが、何よりも一番大切なのは『この人にならば地元や国の未来を託しても良い』と思わせることだと感じました。時代は変わっても、意外と人間らしいところがありましたし、これからも残り続けていくんじゃないかと思います」
過半数割れの石破政権に早くも不安の影が……
特別国会が11日に招集され、本格的な議論がスタートした。選挙前の293議席(自民261議席、公明32議席)から議席を大きく減らし、過半数を下回った与党は、国民民主党ら野党を交えながら首相の指名や国家予算の議論に臨むこととなるが……。 「前回の衆院選は大勝しましたから、ある程度議席が減ることに関して折り込み済みだったでしょうし、仕方ない部分もあると思います。ただ、過半数を割り込むほどにまで追い込まれる状況はさすがに想定していなかったはずです。今回の選挙で国民への禊として、該当する議員に無所属での出馬を強いたことで、少なからず恨みを買ってしまった石破氏が首相として円滑な運営が出来るのか。来年行われる参院選に向けてさらなる波乱が起こるかもしれません」 アメリカではトランプ氏が大統領に返り咲き、ウクライナや中東で戦乱が続く不安定な世界情勢の中、石破首相は存在感を示すことができるのか。5度目の挑戦で念願の椅子を射止めた石破氏の手腕が問われることになりそうだ。 ライター・白鳥純一 デイリー新潮編集部
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