学生ら「悔しいけど頑張った」 台湾議会占拠の撤退
台湾-中国間の「両岸サービス業貿易協議」締結に反対して立法院を占拠した台湾の学生らが、4月10日午後6時(日本時間午後7時)に議場から撤退すると発表したことを受けて、馬英九総統や野党側が肯定的な評価を示した。しかし、馬総統側は学生らの要求に対して全く譲歩していないことから、学生らとの最終的な「合意」までには、まだまだ時間がかかりそうだ。 [写真特集]河野嘉誠 × 台湾3・30デモ
■学生ら「悔しいけど頑張った」 学生側の林飛帆、陳為廷両代表は「議場からの撤退は活動の終焉ではない、新しい始まりだ」と強調した。議場内で20日間を過ごした経済学部の学生・陳さんは「撤退するのは悔しくて寂しい。まだ馬英九総統からは具体的な答えが出ていないため、去るべきではないとは思うが、学生たちは皆よく頑張った」とコメント。立法院前で座り込み抗議を続けてきた社会人の傅さんと徐さんも退去の決定を支持し「これほどの成果を挙げたことについて褒めてあげたい」と話した。 ■野党は学生らに声援 台湾の最大野党・民進党は「学生運動のよい手本だ」と肯定的な評価を示すとともに、協議を監督する法律の早期通過を目指す意向を示した。また、「国民の意思に反する行為をしないでほしい」と、与党・国民党を強く批判した。 ■馬政権との対立は続く 立法院長(議長)の王金平氏が6日に宣言した「中国との協議を監督する法律が成立するまでは、与野党協議を招集しない」との言葉を受け入れ、学生側は立法院からの撤退を決めたが、馬総統は7日夜の記者会見で、「王氏の発言は、政権側の主張とは矛盾していない」との姿勢を崩しておらず、監督法案と協定審議を「同時進行」するとの方針を改めて強調した。 馬総統の発言を受け、学生側のリーダー陳氏は「馬総統の主張は共通認識に達していない」「馬総統の発言は自己欺瞞(ぎまん)だ」と語り、政府側が提出した監督法案には監督機能がないと主張した上で、「個人の意志で国会を操るやり口をやめて欲しい」と呼びかけた。 (文責:TomoNews(http://jp.tomonews.net/)/台湾)