勇者と魔王の殺伐とした最終決戦→からの“ハチャメチャラブコメ”に「ツッコミがフル渋滞」「終始甘々で良き」と大反響!【作者に訊いた】
世界を脅かす魔王と、それを討とうとする勇者。宿敵同士が相まみえる最初で最後の決戦で、もしお互いが“一目惚れ”してしまったら――!?矢尾いっちょ(@1203Yao)さんの創作漫画「恋する最終決戦」は、勇者と魔王のラストバトルという王道展開をラブコメとして描いた短編作品だ。戦う直前までの殺伐とした雰囲気はどこへやら、勇者は小学生男子のような強がりで照れ隠し、かたや魔王は「仲良くしてやってもいいけど!?」とツンデレムーブを見せる…。読者から「ツッコミがフル渋滞しまくり」「終始甘々で良き」と反響を集める本作品。作者の矢尾さんにこの作品を描いたきっかけや挑戦について話を訊いた。 【漫画】「恋する最終決戦」本編を読む ■勇者と魔王の予想外ロマンスにドキドキが止まらない! 矢尾さんの作品は現代を舞台にしたものが多いなかで、本作はファンタジーの世界観が新鮮だ。 キャラクター作りで意識した点について聞いてみると「魔王のビジュアルにはかなり気を使いました。魔王としてのカリスマ性を感じさせるデザインであればあるほど、恋する乙女としてのギャップに魅力が出ると感じていたので歴代キャラの中でも断トツに時間がかかったかもしれません」と語ってくれた。「魔王は作品の顔と呼ぶべきキャラだったので、読者からの反響が大きく、すごくうれしかった」とのことだ。 キャラクターの行動に違和感や不自然さがないようにし、その上で魅力的に見せることを心掛けているという矢尾さん。作品ラストの魔王が勇者の提案にうなずくシーンも当初は意地を張った台詞を予定していたが「もっと素直な反応でもいいかな?だったら思い切ってデフォルメで描いてみよう」といった形で落ち着いたとのこと。 技法やアプローチの面でも新たな挑戦を試みた。特に、勇者と魔王の痴話げんかからの剣を交えるシーンは、慣れない世界観での描写であり、自信はなかったが思い切って挑戦した部分だという。今後はアクションのある漫画にも積極的に挑戦し、自身の表現の幅を広げたいと考えているそう。また、「勇者と魔王」という王道の設定を活かしながらも、自分の作風をどう出すかにも工夫したという。 矢尾さんは、設定やキャラクターの新鮮さで作品を作ることが多いが、今回はそれに頼らず、キャラクターの魅力で勝負するという意図があった。この縛りを設けることで、アイデアだけに頼らず、セリフの掛け合いやキャラクターの動きに自身の「らしさ」を出すことができ、漫画制作の基本に立ち返る良い機会となったと当時を振り返る。 多くの読者を魅了してやまない矢尾さんの作品。興味のある人はぜひチェックしてみてほしい。 取材協力:矢尾いっちょ(@1203Yao)