街頭演説する岸田前首相＝22日午前、三沢市役所前

　自民党の岸田文雄前首相は22日、青森県三沢市で街頭演説し、派閥裏金事件といった「政治とカネ」問題に触れて「国民の不信を招く深刻な事態が明らかになり、心からおわびする」と陳謝した。 　旧岸田派（宏池会）に所属していた青森県2区の自民前職の応援に駆けつけた岸田氏は、首相在任中に派閥解消や政治資金規正法改正に取り組んだことを挙げた上で「組織のトップとして不祥事にけじめをつけるため、辞任を決意した」と改めて説明。全国遊説でおわびを繰り返す石破茂首相に向け「歯を食いしばり、引き続き信頼回復に努めてもらいたい」と語った。 　政策面では、2030年代に迎える人口減少の本格化を前に、経済再生や積極的な子育て支援などを進める必要がある－と力説。自身が推し進めた防衛力の抜本的強化についても取り上げた。最後に「日本や世界が正念場を迎える中、これからの時代を担う候補者と政党を見定めてほしい」と訴えた。 　岸田氏を巡っては23年4月、和歌山市の演説会場で爆発物が投げ込まれる事件が発生。この日の街頭演説は市役所前の道路が一時封鎖されるなど警察による厳重な警備態勢が取られる中、400人超の市民が集まった。