「女らしさ」「男らしさ」を押し付ける就活にNO!
〈突然ですが、お手元のパソコンやスマートフォンなどで「就活 服装」と検索してみてください〉との呼びかけで始まる署名活動を展開するのが「SSS(Smash Shukatsu Sexism)」だ。就職活動(就活)において一方的な「男らしさ」「女らしさ」を押し付けるあり方を「就活セクシズム(性差別主義)」とし、問題提起している。 実際、ネットで「就活 服装」と検索すると、「男性は短髪にしてハキハキと答えリーダーシップを」「女性は上品な化粧で優しい雰囲気に」などと服装、髪形、靴からお辞儀の仕方に至るまで男女別の指南が現れる。「化粧は社会人のマナー」と言い切り、パーマや男性の長髪を否定するなど、「べき論」のオンパレードだ。 SSSは、このような男女二元論や性差別に基づく「就活マナー」を変えるべく、2020年11月から就活関連企業への抗議や署名活動を展開。就活情報会社大手のマイナビやリクルートキャリア、リクルートスーツを販売するAOKIや青山商事などのほか、全国の高等教育機関や大学生協に対し「極端に二元化した男女別スタイルやマナーの押し付けをやめて、多様性のある装いのスタイルを提案すること」「女性はこうすべき、男性はこうすべきという偏った表現は差別や抑圧につながるため見直すこと」を求めてきた。 異議を唱える声は徐々に広がり、「#就活セクシズムをやめて就職活動のスタイルに多様性を保証してください!」という署名への賛同は、現在3万4000筆に届こうとしている。 SSSはこの度、「就活の未来」「キャリアパーク」「PORTキャリア」などを運営するポート株式会社に対し、「女性は就活で化粧をしなさい」という指南をやめるよう抗議文を送った。SSS呼びかけ人の水野優望さんによれば、同社には「これまで何度も抗議・説明し、その都度前向きな回答をもらう、ということを繰り返してきたが、改善する様子が見られない。そのため記事の取り下げと、性差別に関して学んでもらうことなどを要望した」という。 水野さんが活動を始めたきっかけは、自身の就活体験にある。「『女子は化粧をしてストッキングにヒールをはく』といった就活情報があふれていた。それまでは性別に関係なく学生生活を過ごしていたのに、突然、方々から手が伸びてきて自分が性的な鑑賞物として作り変えられていくような気持ち悪さを感じた」と話す。