小林製薬、紅麹の健康被害で問われる“らしさ”、訪日需要や海外拡大もヒット不在が課題だった
■「小林らしさ」はどうなる 2013年から舵取りを担う小林社長は、昨年4月に行った東洋経済のインタビューで「開発スピードが遅く新商品数が減少したことで、寄与率も低下してしまった。現在は、非常にユニークで新しいと思える商品は、市場を調査しながら開発に素早く取りかかるよう変更している」と語っていた。SNSの投稿からAIがトレンドを分析するシステムも導入し、商品開発体制を強化している。 小林製薬には全社員からアイデアを集め、企画会議で新商品を開発していく文化がある。ニッチな需要を拾いあげて、独特なネーミングとともに商品化してきた。
市場変化へスピーディーに対応すると同時に、徹底した品質管理が求められることは言うまでもない。今回の問題を受けて「小林らしさ」をどう守っていくのか。まずは健康被害への迅速な対応が求められている。
伊藤 退助 :東洋経済 記者