【ライブレポート】Devil ANTHEM.が活動休止前ラストライブ開催、すべてが奇跡だった10年に感謝を込めて
Devil ANTHEM.の結成10周年を記念したワンマンライブ「Devil ANTHEM. 10th Anniversary ONE MAN LIVE『Miraculous Trajectory~すべてが奇跡だった~』」が昨日12月27日に東京・TOKYO DOME CITY HALLで開催された。 【ライブ写真75枚】Devil ANTHEM.の結成10周年ワンマンライブの様子 2024年の年始、デビアンはこのTOKYO DOME CITY HALL公演をもって活動を一時休止することをアナウンス。「走り続けた10年でもありましたので、この節目のタイミングでしっかり考え見つめ直す機会として、一度『立ち止まる』を選択させていただくことにしました」というメッセージを発表し、そこからの1年間の活動を全力で駆け抜けてきた。TOKYO DOME CITY HALLは2023年の年末に結成9周年記念ワンマンを開催した会場であり、デビアンはこの1年間の成長と結成からの10年間の集大成をステージ上で提示。渾身のパフォーマンスを繰り広げ、活動の節目に自ら華を添えた。 ■ アイドル10年の竹越くるみ「私1人の力じゃここまで来れてない」 開演時刻を過ぎると、特別なアレンジが施されたSEとともにオープニングムービーが上映され、盛大な歓声とともに熱い高揚感が充満。白と黒のシックかつ華やかな衣装でステージに姿を現したメンバーの背後には5人の姿を描いた巨大なイラストが飾られ、その逆側の客席の方向にはまばゆく鋭いレーザー照明がまっすぐに伸びる。デビアンが初期曲「あなたにANTHEM」でライブの口火を切ると、彼女たちの歌声、強い音圧を伴うサウンド、ファンのコールが重なった。TOKYO DOME CITY HALLはアリーナのエリアは座席が設置されることが多いが、この日はスタンディング形式。昨年以上に大勢の観客がステージに熱い視線を向け、思い思いに体を動かしてライブを満喫した。 序盤に「OMONPAKARU」や「ちょまっ!」を畳みかけ、ぐんぐんとギアを上げていくデビアン。MCに移ると、唯一のオリジナルメンバーである竹越くるみが「私はDevil ANTHEM.になって、アイドルになって10年です!」と笑顔を弾けさせる。彼女は「『みんながデビアンに初めて出会ったのはいつですか?』ってツイートしたんですけど、みんなが送ってくれる出会いの中に私、全部いたんだなって。デビアンの初期メンバーとしてずっと活動してきて、いろんなファンの方に『デビアンを引っ張っていってくれてありがとう』とか『デビアンはくるみちゃんがいるから続いてるんだよ』と言っていただけるんですけど……」と感情をあふれさせながら言葉を紡いだのち、「私1人の力じゃここまで来れてないんですよ!」とメンバーへの感謝の思いを強調した。ここで5人はデビアンの始まりの楽曲「BE AMBITIOUS!!」を披露し、フレッシュな装いのナンバーを晴れやかに響かせた。 ■ “でび楽団”登場でさらに膨れ上がる熱量 次のブロックでも彼女たちはパフォーマンスの勢いを緩めず、「LOVE~極~」「minnadeiko」「ソノサキ」などを次々に披露。その後のMCで本番前に楽屋で号泣していたというエピソードが語られたが、5人は心の底からライブを満喫している様子で、堂々としたパフォーマンスを繰り広げていく。そしてこの日のライブは後半戦からが山場。イラストが描かれたステージ後方の紗幕が落ちると、そこにはサックスやコーラス隊も含む大所帯のバンド“でび楽団”の姿が。でび楽団を交えてのライブは8月に開催された「#でび夏霞演奏会」以来2回目で、「ミッドナイトドライブ」「Blue Youth」「STARLIGHT CIRCUS」などの楽曲が躍動感と強固な一体感を携えて届けられた。 ライブが終盤に差し掛かる頃、メンバーはグループの活動休止について言及。安藤楓が「この活動休止は、私たちの活動と向き合い、この先どうしたいのかの答えを出すために選択された手段です。この1年、私たちは楽しみながらも自分たちと向き合い、悩みながら活動してきました」と丁寧に思いを伝えた。さらに竹越が「今日のワンマンライブのタイトルにある通り、私たちメンバーが奇跡的に出会って、私たちがみんなと奇跡的に出会って。私たちが出会ったすべてが軌跡だと信じたいです。私たちの描く未来にみんながいることが特別じゃなくて、当たり前じゃなくて、はかないものなんだとこの1年、たくさん思う瞬間がありました」と語ったのち、デビアンは「by your side」を披露。「描く未来には君がいる」「そばにいるよ」といったフレーズをまっすぐに届けた。 ラストスパートではこれまで以上に熱量の高いパフォーマンスが展開され、えも言われぬ興奮が膨れ上がるように場内に広がっていく。「絆という羽」はバイオリンのソロで演奏がスタートする特別なアレンジが聴衆の情緒を揺さぶり、曲名の通りエモーショナルな言葉を間奏で放つのがおなじみの「EMOTIONAL」では5人が「私たちデビアンは、みんなのことが大好きです!」と声をそろえる。そこからメジャーデビュー曲「ar」を経て本編ラストはライブの定番曲「Fever」へ。アリーナの観客は一斉にジャンプし、この一瞬一瞬をメンバーとともに謳歌した。 ■ 「絶対にパワーアップして帰ってくるので」 ライブは観客の熱い声援に導かれるようにしてアンコールへと突入し、でび楽団の演奏が響き渡る中、メンバーが再びステージへ。「不確かな未来」でパフォーマンスを再開させると、10月にリリースしたベストアルバム「Devil ANTHEM. 10th Anniversary Collection『The Best Miraculous Trajectory』」の収録曲「夜明けの軌跡」を情感たっぷりに、それでいて力強く歌い上げた。 竹越の「絶対にパワーアップして帰ってくるので、皆さん待っていてくださいね!」という呼びかけに対し、盛大な歓声で応える会場のファン。次に披露された「FACT」の曲中、メンバーに合わせて観客も隣同士で肩を組み、会場全体の心がひとつに。「①②③④⑤⑥」ではデビアンの結成10周年を祝すようにきらびやかな銀テープが盛大に放たれた。ここで彼女たちは再度ステージをあとにするも、まだまだ会場に漂う興奮は冷めやらずダブルアンコールへとなだれ込む。5人は最後に感情をたっぷりと込めて「ライン」を歌唱。ステージと客席がセンチメンタルなムードと万感の思いで包まれる中、歌いながら感極まって涙するメンバーも。彼女たちがステージから立ち去ると、鮮やかな桜吹雪が場内に降り注ぎ、TOKYO DOME CITY HALLに大きな余韻を残した。 ■ セットリスト □ 「Devil ANTHEM. 10th Anniversary ONE MAN LIVE『Miraculous Trajectory~すべてが奇跡だった~』」2024年12月27日 TOKYO DOME CITY HALL 01. あなたにANTHEM 02. OMONPAKARU 03. ちょまっ! 04. VS 05. Fake Factor 06. BE AMBITIOUS!! 07. LOVE~極~ 08. MY WAY 09. シアワセクラップ 10. minnadeiko 11. ソノサキ 12. ココロカラ 13. ミッドナイトドライブ 14. Blue Youth 15. ストレライド 16. STARLIGHT CIRCUS 17. by your side 18. 絆という羽 19. EMOTIONAL 20. ar 21. Fever <アンコール> 22. 不確かな未来 23. 夜明けの軌跡 24. FACT 25. ①②③④⑤⑥ <ダブルアンコール> 26. ライン