笑顔で接客する金子諒哉さん＝22日午後、松山市湊町4丁目

　話し言葉が滑らかに出ない吃音（きつおん）に理解を深めてもらおうと、当事者の高校生らが接客するカフェが22日、愛媛県松山市湊町4丁目に1日限定で開かれた。愛媛では初開催で、県内の若者3人がスタッフとなり、来場者27人との会話を楽しんだ。 　「注文に時間がかかるカフェ」は2021年に吃音がある奥村安莉沙さん（32）＝東京都＝が立ち上げ、全国で開催しており、30カ所目の愛媛では、幼少時から吃音に悩んできたという新居浜西高校3年金子諒哉さん（18）、三島高3年大塚裕貴さん（18）、弁当店で働く東温市の丹生谷未来さん（21）が店員を務めた。 　「言葉に詰まるのは緊張ではありません」「アドバイスはせず、言い終わるまで待ってください」。22日、3人は吃音の症状や接し方の要望を伝えた後、緊張の面持ちで注文を取り、飲み物を運んだ。客は吃音に悩む人や家族が多く、言葉に詰まり沈黙が生まれてもせかされない。接客を重ねるたび表情に自信が生まれ、テーブルを回っては笑顔で話題を提供した。