【被害総額120億円】隠し味はまさかの「醤油」。世界的権威もダマされた「偽造ワイン」の巧妙手口
偽造ワインを見破るための最新技術とは?
ルディが逮捕された後も、回収できた偽造ワインはごく一部で、まだまだ多くの偽物が市場に出回っていると考えられています。 偽造ワインを見分けるヒントになり得るのは、ラベルやコルクです。ラベルの質感や汚れ具合に違和感があったり、コルクの素材やロウの部分が不自然なことがあります。しかし、これらは見比べなければわかりにくく、素人目には難しいでしょう。 ワインを購入するときには、信頼できる販売店やオークションハウスを通すのが確実です。ルディ事件以降、オークションハウスも対策を強化し、少しでも疑わしいものは出品を見送るようになっています。 また、ワイナリーも偽造対策に乗り出しています。偽造できないようコルクに合成素材を使用したり、ラベルに温度センサーを導入したり、GPSでボトルを追跡できるようにしたりと、最新技術を駆使しています。 渡辺 順子 ワインスペシャリスト 1990年代に渡米。フランスへのワイン留学を経て、2001年大手オークションハウス「クリスティーズ」のワイン部門に入社。同社初のアジア人ワインスペシャリストとして活躍する。09年に退社し、プレミアムワイン株式会社を設立。ワイン普及の活動を続けている。現在はメキシコ在住。 著書に『世界のビジネスエリートが身につける教養としてのワイン』『高いワイン』(ダイヤモンド社)、『日本のロマネ・コンティはなぜ「まずい」のか』(幻冬舎ルネッサンス新書)、『語れるワイン』(日本経済新聞出版)等がある。