ロシアと軍事同盟を結ぶ旧ソ連構成国ベラルーシは23日、来年1月26日に大統領選（任期5年）を実施すると発表した。現職のルカシェンコ大統領（70）は7選を目指して出馬する意向を表明した。タス通信が伝えた。ルカシェンコ氏は従来、次期大統領選には出馬しないと主張していたが、前言を撤回した形。 「欧州最後の独裁者」との異名を持つルカシェンコ氏による強権統治が約30年間にわたり続くベラルーシでは、2020年の前回大統領選で反体制派が結集。体制転換機運が高まった。 しかし、政権側がルカシェンコ氏の「圧勝」による6選を発表したことで、開票不正が起きたとする大規模な抗議デモが発生。政権側はデモを武力鎮圧し、反体制派や独立系メディアも壊滅させた。欧米諸国は政治弾圧だとしてベラルーシに制裁を科した。 ルカシェンコ氏はデモを受け、「大統領権限を縮小する改憲を行った後、大統領を退任する」「次期大統領選には出馬しない」と繰り返し表明。政権側は22年、「国民投票」で多数派の支持を得たとして改憲を実施した。改憲では、それまで無制限だった大統領任期が最大2期に制限された一方、ルカシェンコ氏の過去の任期はリセットされ、同氏の次期大統領選出馬が可能となっていた。 改憲成立後もルカシェンコ氏は退任せず、国外に逃れた反体制派は「ルカシェンコ氏は約束を破って大統領を続けるつもりだ」と指摘していた。（小野田雄一）