〈1.1大震災〉珠洲・大谷、初の仮設入居 震災11カ月で「ようやく」
●豪雨で延期 能登半島地震を受けて珠洲市大谷小中グラウンドで建設が進んでいた仮設住宅団地「大谷町第1団地」の入居が2日始まった。同市大谷町で初めての仮設住宅で、奥能登豪雨の影響で完成時期が9月末から延びていた。震災後の11カ月間、避難所や2次避難先などで過ごしてきた住民は「ようやく入居できる」とほっとした表情を浮かべ、仮設住宅に荷物を運び入れた。 2日朝から住民が大谷小中の避難所や、加賀地方の避難先などから集まり、引っ越し作業を進めた。 元日の地震で自宅が全壊して妻を亡くし、加賀市内の親族宅に身を寄せていた則貞武夫さん(82)は「立派なところに入らせてもらった。仮設住宅の完成は大谷のこれからを町全体で考えていくための第一歩だ」と話した。 大谷町第1団地は当初、9月末に完成し、周辺の水道復旧も同時期を見込んでいた。奥能登豪雨で団地内の浄化槽が破損するとともに、町内の浄水場も損壊し、完成や復旧時期が先延ばしとなっていた。断水が続いているため、珠洲市は団地内に水を供給するタンクを設け、通水するまで水を補給し続ける。 元日から大谷小中に設けられている避難所には20~30人が身を寄せており、大半が仮設住宅に入居する。ただ、仮設住宅への入居要件を満たさない住民もいることから、当面は避難所を継続する。 仮設住宅は72戸で、木造2階建て。市は11月30日、12月1日に入居の説明会を開き、約50世帯が鍵を受け取った。