初の世界戦に臨むガルシアが好仕上がりアピール メキシコ選手同士の世界戦は異例の第1試合に
プロボクシングの元世界3階級制覇王者の亀田興毅氏(38)がプロモートする興行「3150×LUSHBOMU vol.3」(21日、ツインメッセ静岡)で、初の世界戦に臨むIBF世界スーパーフライ級3位のウィリバルド・ガルシア(34)=メキシコ=が13日、東京・品川区のワタナベジムで練習を公開。同級4位のレネ・カリスト(29)=メキシコ=と対戦する王座決定戦に向けて好仕上がりをアピールした。 11日に羽田空港着の航空機で初来日し、12日からガンガン練習しているというガルシアはこの日、サンドバッグ打ちとミット打ちを披露。力強いパンチを打ち込んだ。 「すべて順調。良いトレーニングができている。相手の研究はしていない。いつも通りの試合をしたら勝てると思っている」 カリストが元世界2階級制覇王者の亀田和毅(33)=TMK=が所属するTMKプロモーションと契約していることから、メキシコ選手同士の世界戦が日本で行われることになった。ガルシアは「場所がどこであろうと関係ない。俺たちメキシコ人の戦士のような熱いハートを見てほしい」と気にしなかった。 アマチュア経験はまったくなく、約20人の大家族を貧困から救うために27歳でボクシングを始めた。それまではトラックの運転手や漁師など、その場しのぎの仕事をしていたという。2021年6月にWBOインターナショナル・バンタム級王座決定戦で、ポール・バトラー(英国)に1-2の10回判定で敗れたが、持ち前のハングリー精神を発揮して同9月の再起戦以降は10連勝中だ。 長所は「パンチ力」だといい、特にボラードと呼ばれるメキシコ選手特有のオーバーハンドフックが得意だという。「まずはこの試合で勝って、世界王者になって、次はバム・ロドリゲスと試合をしたい」とWBC世界スーパーフライ級王者のジェシー・ロドリゲス(24)=米国=との王座統一戦を夢見た。 亀田氏は当初はセミファイナルで行われる予定だったこの試合を第1試合にすると発表。「スタートから興行を盛り上げていただいて、ボクシングファンの人たちに興行のど頭からしっかりと見ていただけたら」とアピールした。米スポーツ専門局ESPNの中南米版でメキシコ市時間の午後10時から生配信されることもあって、異例の世界戦から始まる興行となった。 興行はインターネットテレビのABEMAで午後0時30分から無料生配信される。プロ戦績はガルシアが29戦22勝(13KO)5敗1分け1無効試合、カリストが23戦23勝(9KO)。(尾﨑陽介)