債券は大幅下落、石破自民新総裁で金利低下反動-2年入札懸念も重し
(ブルームバーグ): 30日の債券相場は大幅下落。石破茂氏が自民党の新総裁に選出されたことで、日本銀行の利上げに批判的だった高市早苗氏の勝利を見込んで金利低下や円安が進んだ反動で、売りが優勢だ。2年国債入札に対する警戒感も相場の重しとなっている。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の大塚崇広シニア債券ストラテジストは、石破氏勝利を受けた高市氏トレードの巻き戻しの展開が続いていると指摘。「新政権の経済政策に不透明感があり、どのような政策が出てくるのか見極めている段階で、この水準では積極的な買いは入りにくい」と述べた。
財務省は30日、2年利付国債(465回債)の価格競争入札を提示した。表面利率0.4%で前回と据え置き。発行予定額も前回から据え置きの2兆6000億円程度。
大塚氏は、2年債入札について、利回り曲線上で目立った割高感はないものの、絶対金利水準で見ると不足感は否めないとし、「無難からやや低調な結果が予想される」と述べた。
日銀国債買い入れ予定
日銀は30日午後5時に10-12月の国債買い入れオペの実施予定を発表する。10月の月間購入額は9月の5兆3000億円程度から4000億円少ない4兆9000億円程度に減額される見込み。
SMBC日興証券の奥村任シニア金利ストラテジストは、超長期債は需給不安が残るため買い入れ額は据え置きとなる可能性が高く、中期債と長期債のみの減額となるだろうと指摘。「その中でも足元での買い入れ額が大きい10年ゾーンがやや減額幅が大きくなる」と予想している。
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Hidenori Yamanaka