「経費で落とせる? 落とせない!?」プロボックスじゃなくスーパーカーを“社用車”にすることって本当に大丈夫? 税理士に聞いてみた
スーパーカーを経費で落とせない!その具体例は?
前出の税理士の男性は「税務署は経営者にとって『敵』ではない」としたうえで、スーパーカーを経費で落とすことができないケースについて、さらに詳しく解説します。
「誤解されがちですが、税務署(国税庁)は『節税』を否定していません。むしろ、適切な節税は彼らも推奨しているところです。 つまり、彼らが『スーパーカーを買うくらいなら納税してください』などということはありえないというわけです。 彼らがもっとも厳しく目を光らせているのは、あくまで『脱税』です。 具体的に言えば、事業で使用する意志が見られないにもかかわらず、会社のお金を使ってスーパーカーを購入していると判断されると、脱税と判断される可能性があります。 たとえば、『スーパーカー専門のレンタカー事業をおこなう』という名目で数多くのスーパーカーを経費で買い集めたものの、定款にその記載はなく、さらにはホームページがあるわけでもないなど、事業としての実態がない場合などは論外です。 あるいは、希少なクラシックカーのように、日常的に動かせなかったり、運転するのに通常以上の技術が必要なクルマを、経営者や社員が移動するために『社用車』とするのも無理があります。 経費として認められなかった場合、基本的には『スーパーカーを購入した費用を会社に貸してもらった』というあつかいになり、会社に対して借金をしている状態になります。 その状態が続くと、銀行からの借り入れが難しくなるなど、会社経営にとって大きな問題となります。 また、場合によっては追徴課税が発生する場合もあるほか、意図的な所得隠し(脱税)と判断されれば実刑判決を受ける可能性もあります。 ただ、税制に対するしっかりとした知識があれば最悪の事態は防げます。特に、クルマのような高額なものは経費計上のルールが複雑であるため、まずは税理士に相談することをおすすめします」 ※ ※ ※ 帝国データバンクの調査によれば、2023年の新設法人数は15万2860社と過去最多を記録している一方、国税庁による脱税の告発件数も増加傾向にあります。 起業によってあこがれのスーパーカーを手に入れる可能性は高められるかもしれませんが、それと同時に、税制に対する十分な理解が必要不可欠であることは言うまでもありません。
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