学生時代と同じように勉強してはいけない…「勉強は数をこなせば身に付く」は大誤解なワケ
資格取得や昇進試験、スキルアップなどで大人の学び直し熱が高まっている昨今。勉強をしている誰もが頭を悩ませるのが、苦手分野の克服だ。その方法を、脳内科医であり『一生頭がよくなり続ける もっとすごい脳の使い方』(サンマーク出版)の著者・加藤俊徳氏に聞いた。加藤氏によると、それにはちょっとしたコツが合って、それさえ押さえれば誰でも克服が可能だという。 【マンガ】3500万の住宅ローン組んだ「年収700万夫婦」が地獄を見たワケ
苦手分野の勉強は「スーパースロースタディ」で攻略
「何度テキストを読んでも、いまひとつ理解ができない」 「なんとなくわかったつもりではあるけど、人に説明しようと思ったらうまくできない」 これは、苦手分野について勉強しているときによくあることだろう。誰にでも苦手な分野やコンテンツがあるのは当然のことだ。 そもそも、初めて目にするものを理解すること、苦手な分野を勉強することが脳は得意ではない。とはいえ、資格取得のためには避けては通れない道。初めての分野、苦手な分野を勉強するときのコツがある。 それは、超絶ゆっくり学ぶ「スーパースロースタディ」だ。勉強は時間をかけずに素早く理解できたほうがいいという風潮があるが、決してそんなことはない。勉強においては、超絶ゆっくり学んだほうが、最終的に効率がよくなることが多いのである。 たとえば、あなたは野球に関しては全くの素人。甲子園に出場したこともある野球経験者の友人と一緒に野球観戦をしているとする。ピッチャーが投げた球に対して、あなたはストライクなのかボールなのかの判定をすることも危ういことだろう。 一方、経験者の友人はストライクの判定ばかりか、「今のはフォークボールだ」「球速は時速140キロはあったな」などと、一瞬にして球種まで見極めることができる。2人は目の前で全く同じものを見ているのに、そこから得られる情報の量と質には雲泥の差があることがわかると思う。 勉強もこれと同じで、初めてのことや苦手なことを学ぶときにスピードを追い求めてしまうと、大切な情報や細かな情報を見落としてしまう。 もし、ピッチャーの投げた球を超スローモーションにしたら、どうだろうか。野球の素人のあなたでも、その球がストライクゾーンに入っているかどうか、ボールがカーブを描いているのか落ちているのかといった情報を見極めることができるはずである。勉強でもまずはゆっくり取り組んで、その情報に慣れ、見極める目を育てていく時間が必要になる。