天才ランナーから人気コスプレイヤーに…では“第3の人生”は? 34歳になった元日本代表・絹川愛のこれから「いまは手札がたくさんありますから」
仙台育英高時代に大阪世界陸上1万mの代表に選ばれ、「平成生まれ初の日本代表」となった絹川愛さん。その後は紆余曲折を経て2017年に現役引退、2018年には人気テレビ番組『消えた天才』にも出演した。そんな絹川さんが突然、驚きの発表をしたのが今年4月のこと。若くしてその才能を開花させた「天才ランナー」後の第二の人生として、人気の男装コスプレイヤーとして活動していたことを告白したのだ。界隈がザワついた衝撃発表の真意と、今後の人生についても本人に聞いた。〈全3回の3回目/最初から読む〉 【写真で比較】「こ、これはイケメン…本当に同一人物?」天才女子高生ランナー・絹川愛の超人気アニメキャラ“男装コスプレ”姿…34歳になった現在の姿&現役時代「腹筋バキバキ」爆走シーンも見る 「かつての天才女子高生ランナーが、現在は人気の男装コスプレイヤーとして活動していた」 今年4月、X(旧ツイッター)上で絹川愛が告白したのは、そんな衝撃の事実だった。 あまりに前例のない、突然のことでもあっただけに、絹川は陸上界・コスプレ界の双方から「叩かれることも覚悟していた」と言う。だが、自らの元に届いた反響は好意的なものばかりだった。 発表を取り上げたスポーツ報知の記事ではコスプレと陸上競技の両立についても語っていたが、実際にはどのような未来予想図を描いているのか。
「技術や考え方を、もっと若い世代に伝えなきゃ」
絹川は4年前に転職したイベント会社の名刺に目をやると、意を決したように話し始めた。 「今、コスプレイヤーとして活動する一方で、コスプレステージ、アニソンDJなどイベントの企画運営なども行っています。次世代のコスプレイヤーさんがより社会で活躍できるように、何ができるかということを考えていると、自分がいったん手放してしまった陸上でも『やってあげたいことがある』って思えてきて。技術や考え方を、もっと若い世代に伝えなきゃって思ったんですね」 若いアスリートに伝えたいこと。それは具体的にどんなことを指すのだろう。 「それこそ私は、現役時代に目の前のことばかり考えて、そしてダメになってしまったので。ロンドンオリンピックの落選にしても、選考で落ちたからおしまいだって。そうじゃなくて、この悔しさをバネにしたらとんでもなく強くなれる。そう思えなかったんです」 落選やケガは「ただの事象」に過ぎない。それを不幸ととらえるか、飛躍のチャンスととらえるかで未来は違ってくる。 「だからこそ、若い世代には目の前のことに一喜一憂しないで、次に何をするかの方を大事にしてほしいってことを伝えたいです」 話を聞いていると自身の競技復帰よりも、プロデュースする方に意識が傾いているようだが、一方で絹川はこんな思いも口にする。 「もちろん、今からでもオリンピックに行けたら嬉しいし、競技復帰したい気持ちは残ってます」 でも、と言葉を続ける。 「安易にそれを言うのは、この10年真剣にやってきた人たちに申し訳ない気持ちがあるんですね。だからまずは、ランニング教室のコーチをしてみるとか、子どもたちと一緒に走るとか、徐々に足慣らしをしていって、その中で走る感覚がまた研ぎ澄まされていったら良いなと思ってます。今からだと来年の世界選手権には間に合わないので、焦らずにやっていきたいですね」
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