北の富士さん、ゴルフでも指導への探究心発揮 プロと「一緒にラウンドしたい」と一番乗り…番記者が悼む
大相撲の第52代横綱で、人気解説者だった北の富士勝昭(本名・竹沢勝昭)さんが12日午前に東京都内の病院で82歳で死去したことが明らかになった。 * * * * 千代の富士と北勝海。2人の大横綱を育てた裏には底知れぬ探究心が隠されていた。93年の秋場所後、私がプロゴルファーの倉本昌弘と仲が良かったのを知って「一緒にラウンドしたい」と依頼してきた。同年12月、東京読売CCに集合すると北の富士さんはコースに一番乗り。プレー中は自分のスコアより、倉本プロの指導に熱心に耳を傾ける自身のレッスン会となった。うまくなるため、強くなるためには何をすべきか。この姿勢が、土俵で弟子を強くしたいという指導になり、2人の横綱の育成につながった。 02年2月には還暦を迎えて都内のホテルで真っ赤な綱を締めて雲竜型の土俵入りを行った。太刀持ちは千代の富士、露払いは北勝海が務めた。「2人の横綱と一緒に還暦の土俵入りができるとは思わなかった。俺は幸せ者だよ」と笑いながら話したが、目には光るものがあった。合掌。(元大相撲担当・大野 修一)
報知新聞社