夫婦2人、老後の生活費は「月23万円」!? 共働きの場合も「年金だけ」ではまかなえない? 必要な貯蓄額も解説
「老後、年金だけで暮らしていけるのか……?」というのは多くの人が心配していることだと思います。 ▼夫婦2人の老後、「生活費」はいくら必要? 年金額の平均をもとに必要な貯蓄額も解説 本記事では、夫婦2人世帯が老後にもらえる年金額、必要な生活費について解説します。そのうえで、いくら貯蓄が必要なのか、その貯蓄額を用意する方法についても紹介します。
老後の夫婦2人世帯の支出はいくら?
令和4年の総務省統計局「家計調査報告 家計収支編」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、月の消費支出の平均が23万6696円です。
年金はいくらもらえるの?
年金は2階建ての制度と呼ばれています。1階部分が国民年金、2階部分が厚生年金です。 自営業や主夫(婦)の人は国民年金保険料を支払う必要があり、受給資格を満たしていれば国民年金が受け取れます。国民年金保険料は収入にかかわらず一定です。 会社員や公務員の人は厚生年金保険料を納付しており、年金受給時には国民年金に上乗せして厚生年金が支給されます。この厚生年金保険料は、給与の額によって変わり、かつ自分と会社で折半して支払います。 令和4年度の国民年金の給付額は1人当たり平均5万6316円、厚生年金(国民年金+厚生年金)は1人当たり平均14万3973円です。 ただし、年間の年金受給額が18万円以上だと国民健康保険料、介護保険料と住民税が徴収され、さらに65歳以上の人は年間の年金受給額が158万円以上だと所得税が徴収されます。 徴収される保険料や住民税は自治体によって変わってきますが、年金手取り額はおおよそ 8~9割と考えてください。ここからは具体的なケースで年金額をシミュレーションしますが、ざっくりと受給額の8割を手取りの年金額と仮定して計算します。 ●国民年金額5万6316円→手取り額は4万5052円 ●国民年金+厚生年金額14万3973円→手取り額は11万5178円 ■自営業や専業主夫(婦)などの場合(国民年金のみ受給) 夫婦のうち1人が自営業、もう1人が専業主夫(婦)のケースでシミュレーションします。この場合、両者とももらえるのは国民年金部分のみになるため、2人の年金手取り額は月約9万円になります。 この場合、年金だけでは月14万円以上の赤字になってしまうため、年金のみでは生活できないことになります。 ■1人が会社員や公務員などの場合(国民年金+厚生年金を受給) 夫婦のうち1人が会社員や公務員で、もう1人が専業主夫(婦)の場合、2人の年金手取り額は月約16万円になります。この場合でも、年金だけでは月7万円以上の赤字となってしまうため、貯金や他の収入源が必要になります。 ■夫婦共働きで会社員や公務員などの場合(2人とも国民年金+厚生年金を受給) 夫婦共働きの場合、2人の年金手取り額は月約23万円です。共働きでも、月約7000円弱の赤字になる計算です。 ただし、国民年金保険料が一定なのに対し、厚生年金保険料は給与の額によって変わり、もらえる年金額はその人が支払った保険料によって変わってきます。実際にいくら年金がもらえるかは、厚生労働省の公的年金シミュレーターなどで試算してみることをおすすめします。