20年債利回り1.765%に上昇、11年ぶり水準-オペ減額で入札警戒
(ブルームバーグ): 新発20年国債の利回りが11年ぶりの高水準となった。日本銀行が前日に国債買い入れの減額に踏み切ったことで金融政策正常化を早めるとの観測が強まり、16日の20年国債入札に対する警戒感から売りが出た。
14日の債券市場で新発20年国債利回りは、前日の終値(1.74%)より2.5ベーシスポイント(bp)高い1.765%と、2013年以来の水準に上昇した。
日銀は13日、定例の国債買い入れオペで長期債の購入予定額を減らした。市場では買い入れ額を据え置くとの見方が多かったため、長期債を中心に売りが膨らんだ。日銀が政策正常化を早めるとの観測につながり、幅広い年限で金利上昇圧力がかかっている。
三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは「昨日のオペ減額をみる限り、1回だけで終わるのか不透明感が出ている。早ければ17日のオペ、来週以降もいつどのタイミングでどの年限が減額されてもおかしくなく、金利に上昇圧力がかかっている」と指摘。こうした中で実施される20年債入札に警戒感が出ていると述べた。
日銀の植田和男総裁は8日の講演で、物価見通しの上振れリスクが大きくなれば「金利を早めに調整していくことが適当」と述べ、円安に対して利上げ前倒しで対応する可能性を示唆した。
物価見通しの上振れリスク大きくなれば「金利早めに調整」-日銀総裁
10日の30年国債入札では、日銀が追加利上げや国債の購入減に前向きな姿勢を示したことを受けて、金利の先高観から買いに慎重な投資家の姿勢が鮮明となった。16日に行われる同じ超長期ゾーンの20年国債入札に対する懸念が強まっている。
関連記事
(c)2024 Bloomberg L.P.
Hidenori Yamanaka