お隣のセガレから要請「キタナイ脂で黒いブレーキ、何とかして~」【プロカメラマン】ダックス70に七転八倒2回目
ブレーキ周りとガソリン漏れ対処を優先して作業!
カメラマンの小見です。寒くなりましたね! 先に1回目のお話で、実家のお隣のセガレ=せいちゃんのダックス70の初期状況をお話しました。灯火類の暗さと、本人が気にしていたのはスロットルの戻りの悪さ。これが主題でした。 そのため、実際の作業順序とは前後しますが、ライトの明るさを改善する過程を最初に掲載しました。でも実はその間に、もっと多量の作業があったのです。 【 画像ギャラリー 30枚】お隣のセガレから要請「キタナイ脂で黒いブレーキ、何とかして~」【プロカメラマン】ダックス70に七転八倒2回目……の写真を見る!
汚れで真っ黒な前ドラムは分解整備が必要
灯火類で接続する配線の一部が当初どうにも見つからず、若干現実から逃避気味になっていた際に手をつけたのがフロントのブレーキドラムの分解点検です。何しろ、構造のよく分からないフォークから漏れたフォークオイルがブレーキ周辺に飛散して、ドラムブレーキ全体にオイル飛沫や長年くっついた埃が黒く変色してベタついていたんです。まんべんなく。 一見しただけで、ドラムブレーキ内のブレーキシューも無事であるとは考え難い状態でした。 たとえ灯火やスロットルが好調になったとしても、ここらへんを放っておくわけにはいきません。 もうほとんど怖いもの見たさ的な好奇心すら芽生えた私は、脱脂処理をしながらこのブレーキを分解して整備してみようと思ってしまったわけです。
古い純正ホースを生かして燃料漏れを止める
ブレーキの汚れだけでなく、燃料の漏れがキャブ周辺に見受けられたのも、安全上の重要ポイント。 たとえ自分のせいでなくとも、もらい事故なんかで万一漏れたガソリンに引火でもしたら、そりゃマズイ。 古い個体ゆえ燃料パイプの劣化も十分疑わしかったので、燃料の微量漏れから対処を始めてみました。クリップを緩めて燃料ホースをコックから抜いてみても、不思議とホースの劣化は目立ちません。ただし接合部の断面に亀裂が入っています。これが漏れの原因のようです。 予備のホースは手持ちであったのですが、それは赤っぽいクリアのホース。ヤレていたとしてもオリジナルっぽさを重視するせいちゃんの好みにはちと合わないかも? そこでいったん、純正ホースの端、劣化して亀裂のある断面部分を切り落としてみます。これでもホースの長さにはまだ余裕があります。 燃料コックに接続してクリップで固定。コックやキャブ周辺とクランクケースをしっかり掃除してからエンジンを始動させ、しばらく様子を見ます。 結果は、たったこれだけで燃料の滲み漏れは解消。色違いの新品ホースへの交換は、後々せいちゃんと相談です。 ※以下「■~」は写真の説明文。写真は【画像ギャラリー】にまとめてありあます。 ■全体の汚れの中、せいちゃんのリクエスト以外で特に気になったのがココ。燃料が滲み、ジワジワ垂れていたと推測される部分です。 ■近づいて見ると、下側の燃料ホースが疑わしい感じ。なぜかホースの種類も違う。クリップをラジオペンチで挟んで緩め、後退させてクリップ跡の凹み具合も見て、ホースのヤレを確認します。 ■白いティッシュペーパーで汚れの種類もそれとなく見てみます。ガソリンですよね。 ■下側のホースの長さに余裕があったので、クリップで凹んだ部分まで2段階でカット。ゴムの弾力性はちゃんと残っていたので、このまま様子を見てみることに。燃料コック全体の清掃も行い、エンジンをしばらく始動させたのちにチェックすると、滲みや漏れは解消していました。