マグヌッセン、鉄壁のディフェンス走行でヒュルケンベルグの入賞を援護「2回もペナルティを受けたのは満足できないけど……良いチームワークで戦えた」
ハースF1のケビン・マグヌッセンは、F1サウジアラビアGPの決勝レース中に合計20秒ものペナルティを受けてしまったことについては、満足できていないとしながらも、その後チームプレイに徹してニコ・ヒュルケンベルグの入賞に貢献できたことはポジティブだったと語った。 【リザルト】F1サウジアラビアGP決勝レース結果 マグヌッセンはサウジアラビアGPの決勝レースを13番グリッドからスタート。レース序盤にはアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)の接触で10秒、その後コース外から角田裕毅(RB)を抜いたとして10秒、合計20秒という、あまりにも大きなタイムペナルティを背負うこととなった。 ペナルティを受けたマグヌッセンのペースはその後上がらず、後方には多くのマシンが数珠繋ぎで連なる形となった。しかしマグヌッセンは抜かれることなく周回を重ねていった。 一方でチームメイトのヒュルケンベルグは、セーフティカー中に他車がピットストップした中、ステイアウトする戦略を採っていた。ペナルティを受けて入賞の可能性が潰えたマグヌッセンは、実はペースが落ちていたのではなく、敢えてペースを落としてヒュルケンベルグと後続の差を開いていたのだ。 これによりヒュルケンベルグは、タイヤ交換を済ませた後もトラックポジションを大きく失うことなく、マグヌッセンの前でコースに復帰。ハースの戦略が大成功し、ヒュルケンベルグは10位の1ポイントを獲得することができた。チームとしてはこれが今季初入賞だ。 「ペナルティに関しては、ルールはルールだよ」 マグヌッセンはレース後にそう語った。 「最初にアルボンと接触した。そんなつもりはなかったんだけど、僕はペナルティを受けた。まあ仕方のないことだと思う」 「ふたつ目のペナルティは、角田を追い抜いた時にコース外に出てしまったからだと思う。それらはルール通りだ。ふたつもペナルティを受けるなんて、自分に満足できないよ」 「でも僕は、ニコが遅いタイミングでピットインしてもポイントを獲得できるようにギャップを作り、チームを手助けすることができた。良いペースで走ることができ、良いチームワークも示すことができた。少なくとも、記録に残る非常にポジティブなモノだったと思う」 また、後続を抑え込むのは大変だったとマグヌッセンは語った。 「すごく大変だったけど、やり遂げられて良かったし、(ヒュルケンベルグが)ポイントを獲得できて良かった。後方の5チームは、大激戦になっている。6番目から10番目は、本当の意味での選手権になっていると思うから、全てのポイントが本当に重要なんだ」 「チームのために働けて満足しているし、作戦を成功させることができたことを嬉しく思っている」 一方で今回のように多くのペナルティを受ける状況を、避けなければならないとマグヌッセンは振り返った。 「僕は白線の内側に留まろうとしたんだけど、残念ながらそうはできなかった。でも、そういうモノなんだと思う。今回みたいなペナルティを避けるために、もっと良い仕事をする必要がある」 「いつもはそんなにたくさんペナルティを受けることはないんだけど、今回は2回も受けてしまった。そういう意味では、今日は良い日じゃなかったよ。でも、本当に良いペースと、良いチームワークは見せることができた」 ヒュルケンベルグを援護する走りに切り替えたのは、チームからの指示だったようだ。後続を抑えるための走りをすることになったのはいつだったのかと尋ねると、マグヌッセンは短く次のように語った。 「それは、チームが僕にそう言った時だよ」
田中健一, Oleg Karpov
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