中国10年債利回りが2%割れ、預金金利抑制の動きで追加緩和観測
[上海 2日 ロイター] - 中国の10年債利回りが2日、2%の心理的節目を割り込み過去最低となった。預金金利押し下げの動きを受け追加の金融緩和観測が高まった。 中国人民銀行の監督下にある機関は29日、銀行が特定の顧客に優遇預金金利を提供することを禁止すると発表した。 人民銀行は、証券会社や資産運用会社などのノンバンク金融機関に銀行が提供する預金金利を政策金利と一致させることを目指している。 10年債利回りは一時5ベーシスポイント(bp)低下し1.9750%と、中国中央国債登記結算(CCDC)のデータで最低を記録した。10年債先物は0.4%上昇し最高値付近。30年債利回りは約4bp低下し2.16%を付けた。 国信証券のアナリスト、ヤン・イェウェイ氏はこの政策が短期金利を押し下げ「長期債利回り低下トレンドの新たな原動力になる可能性がある」と指摘した。 BNPパリバの中国マルチアセット投資部門責任者ウェイ・リー氏は「人民銀行は25年に金融緩和を強化し、債券市場をさらに下支えする」との見方を示した。 中国債券市場は10年にわたり上昇基調にある。約2年前、不動産不況や株安を受け上昇に拍車がかかった。当局は国債市場の過熱感を抑えようとしているが効果は乏しく、アナリストは来年にかけて上昇が続くとみている。 ヘッジファンドMingshiの元ポートフォリオマネジャー、Ke Zon氏は「ファンダメンタルズはなお非常に弱い。諸政策は経済のハードランディングを防ぐだけで、力強い刺激とはなっていない」と述べた。以前消極的だったファンドや機関投資家の投資が依然低調なことや、保険会社が新年を迎える前に資金のアロケーションをすることが利回りを押し下げていると指摘した。 モルガン・スタンレーのストラテジストは、中国経済への慎重な見方、米国の対中関税の公算を踏まえ、人民銀行が政策金利を第1・四半期末までに40bp下げると予想している。