ホンダの“原付二種”スクーター「PCX」はなぜヒット? 軽快な走行フィールと「ビッグスクーターのようなサイズ感」が人気の要因
クラスを超えた車格と軽快な走りを両立
街乗りにおいて人気が高いバイクといえば“原付二種”のスクーター。“原付一種”の30km/h制限や2段階右折などに縛られないのが人気の理由です。 【画像】「えっ…カッコイイ!」“原付二種”スクーターのクラスで絶大な人気のホンダ「PCX」を画像で見る(15枚)
そんな同カテゴリーで圧倒的な支持を集めているのがホンダ「PCX」。2010年の発売以来、クラストップの出荷台数を記録し続けている不動の人気モデルです。 「PCX」が支持を集める理由のひとつは、車格の大きさでしょう。250ccクラスのビッグスクーターを思わせるようなサイズ感で、シート下のヘルメット収納スペースも広大。それでいて、動力性能や燃費にも優れている、いわば欠点の少ないモデルといえます。 特に評価が高いのが、前後14インチ(2020年~はリア13インチ)と径が大きめのホイールを採用していること。このクラスのスクーターは12インチ以下のホイールサイズが主流でしたが、径の大きなホイールを採用することで、直進安定性や快適性が高まっているだけでなく、軽快なハンドリングも実現しています。 2012年からは、排気量を150ccにアップさせた「PCX150」もラインナップ(現「PCX160」)。高速道路も走行可能になることから、こちらも人気を博しています。車体は共通であることから、ベースである「PCX」の車体性能の高さもうかがえます。 2018年には、世界で初めて2輪車向けハイブリッドシステムを搭載した「PCX HYBRID」(現「PCX e:HEV」)や、フル電動モデルの「PCX ELECTRIC」も登場。後者はリース販売のみでしたが、こうした先進技術を搭載するモデルに選ばれたことも、「PCX」の評価の高さがうかがえるでしょう。 実際に乗ってみても、車格の大きさからくる優れた安定感や快適性とともに、“原付二種”の魅力であるキビキビとした軽快さも味わうことができます。 車体は大きいのに走りは軽快という、相反する性能を併せ持っていることが不動の人気を獲得した理由といえるでしょう。 2020年に登場した現行モデルにはトラクションコントロール機構も採用され、すべりやすい路面などでの安心感がさらに向上。 また、ラゲッジスペースの容量拡大や、スマホの充電などがおこなえるUSBソケットの追加など、利便性もさらにアップしています。 現状、ライバルモデルが見当たらない「PCX」の快進撃は今後も続きそうです。 ●製品仕様 ・価格(消費税込):36万3000円 ・サイズ:1935×740×1105mm ・ホイールベース:1315mm ・シート高:764mm ・車両重量:132kg ・エンジン:水冷単気筒OHC ・総排気量:124cc ・最高出力:12.5ps/8750rpm ・最大トルク:12Nm/6500rpm
津田昌宏