「人民日報」社説はまるでトランプの“ご機嫌取り”…「関税60%」男の当選で戦々恐々とする「習近平」 台湾封鎖なら関税は「200%」の恐怖
対中関税60%
なぜならば、トランプ氏は第1期目の大統領時代、米中両国間が関税問題で対立していた2018年7月以降に、米国の1974年通商法301条に基づき、中国原産品に対して段階的に追加関税を課しているからだ。米中両国は相互に報復合戦を演じ、関税は最終的にほぼすべての商品をカバーすることになった。 過去4年間、バイデン政権はトランプ政権時代に中国に対する新たな関税を引き下げておらず、高止まりが続いている。 さらに、トランプ氏は今年の大統領選挙運動期間中に再び関税を「経済の万能薬」として賞賛し、関税は米国政府に莫大な収入をもたらすだけでなく、米国企業を海外の競争から保護することができると指摘し、中国からの輸入品に60%の関税をかけるとの公約を掲げている。
経済成長率は半減
スイスに設立された多国籍投資銀行および金融サービス企業「UBS Group AG」は、この措置が実現すれば中国の経済成長率が半減すると予想している。国際通貨基金(IMF)は現在、2024年の中国経済の成長率を「4.8%」と予想しているが、60%関税によって、中国の経済成長率は半減の「2.4%」に落ち込んでしまう計算だ。 中国の現在の経済状態は決して良いとは言えず、今年7~9月期の実質GDP成長率は前年比+4.6%と2四半期連続で前期から増加幅が縮小している。個人消費が低迷して景気を押し下げている状態だ。このようななかで、米政府による「60%関税」は習近平指導部にとって極めて深刻な問題だ。 しかし、トランプ次期政権の政権移行チームでは、その準備を行っているとみられ、その中心人物として、第1次トランプ政権で米国通商代表部を務めたロバート・ライトハイザー氏が次期USTR(通商代表部)代表もしくは国務長官の座に就くことが有力視されている。国務長官候補としては、元駐日大使のハガディ上院議員の名前も出ているが、いずれにせよ、両者とも対中強硬派として知られており、どちらが就任しても、中国にとっては厳しい対応を迫られることになる。