世界も注目『怪獣8号』は「低音音響アニメ」、1話につき200時間…音楽家・坂東祐大がこだわり抜いた理由
個性豊かなゲストボーカル陣も話題に
──そして、CD2枚組全64曲でリリースされた『怪獣8号』のオリジナル・サウンドトラック盤は、音楽作品としてもかなり聴き応えのあるディープな大作となっていますが。 結局は130曲くらい作ったんですけど、そこからいろいろ厳選して半分くらいっていう(笑)。デラックス盤みたいなのを作ろうと思うとたぶん4枚組くらいになると思いますけど、音楽としてちゃんと聴けるようにしたいなと思ったので、もう一度全部アレンジし直して、なんなら録音もやり直した曲もあります。 ──さらにアルバム用に手を入れたんですね。 特にDisc-1に収録されている曲は作り直しました。というのも、フィルムスコアリングをやっているからセリフの帯域が被るというか、やっぱりセリフが王様でそれが聴こえなくなるのは大問題なので、そこは絶対に避けて曲を作っているんです。で、セリフを抜くとそこの帯域がゴッソリとなくなって、要は飛車角を落とされたような状態になるので、じゃあそこでいろいろ遊べるじゃん!ということで新しく録り直したりとか。 あとは、映像と一緒だったらいいんだけど、音楽だけならもうちょっと欲しいなという部分などは足してますし、挿入歌はテレビ放映で使われた尺よりも長いものを最初から作っていたので、セルフ・リミックスみたいなところがありますね。 ──劇中歌で(sic)boy、岡崎体育、LEO今井といった個性派ボーカリストが起用されているのも大きな聴きどころですが、客演の人選に関して意図していたことなどは? まずは曲を作ってからどなたがいいのかを考えたんですけど、(劇中に登場する)キャラクターとも親和性のある方で今までにやったことがない方とやってみたい、というのはありました。 (sic)boyさんはたまたま作品を聴いていて、カッコいいなと思ってお願いして、岡崎体育さんはシャウトを意外な方にしてもらったら面白いかなと考えていたときに、体育さんはシャウトのイメージは全然ないですけど、やってもらったら絶対に巧いだろうなと思って。あとは何よりも主人公のカフカと年齢が近いという理由もあってダメモトでオファーしたらご快諾いただけて。 ──確かに、すごくハマっていますが意外な起用法ですよね。 で、LEO今井さんには最初は作詞をお願いしていたんですけど、仮歌で歌っていただいたものがホントに素晴らしくて。後からボーカリストを考えるつもりだったんですが、もうLEOさんにしない? とスタッフとも盛り上がって、そのまま歌もお願いすることになりました。