戦後の“皇室外交”はエリザベス女王の戴冠式から始まった…“戴冠式・即位式”通じた交流【皇室 a Moment】
日テレNEWS
ひとつの瞬間から知られざる皇室の実像に迫る「皇室 a Moment」。戦後の“皇室外交”は、70年前のエリザベス女王の戴冠式から始まりました。今回は、日本テレビ客員解説員の井上茂男さんと、外国の「戴冠式・即位式」を通じた皇室と世界の王室との交流を振り返ります。
■戦後、日本の皇太子、皇太子ご夫妻が出席された「戴冠式・即位式」は5回
――こちらはどういう場面でしょうか。 2013年、オランダのウィレム・アレクサンダー国王の即位式に、皇太子時代の天皇陛下と皇后雅子さまが出席された時の一場面です。中央にいるのが国王とマキシマ王妃、右側に両陛下が立たれています。両陛下の左上にいるのが、皇太子時代のイギリスのチャールズ国王とカミラ王妃です。そのチャールズ国王の5月6日に行われる戴冠式に、秋篠宮ご夫妻が出席されることが決まりました。
戦後、当時の皇太子、皇太子ご夫妻が参列された戴冠式や即位式は5回あります。 1953(昭和28)年、皇太子時代の上皇さまが出席されたイギリスのエリザベス女王の戴冠式、1975(昭和50)年に上皇ご夫妻が出席されたネパールのビレンドラ国王の戴冠式、2008(平成20)年に皇太子時代の天皇陛下が出席されたトンガのツポウ5世の戴冠式、2013年(平成25)年に天皇皇后両陛下で出席されたオランダの即位式、2015(平成27)年に両陛下で出席されたトンガのツポウ6世の戴冠式です。(他に、三笠宮ご夫妻が1980年、オランダのベアトリクス女王の即位式に出席) ――5回というのは少ないように思いますが。 そうですね。たとえば、結婚式だと、ベルギーの皇太子やオランダ、ブルネイの皇太子など、陛下は皇太子時代だけで7回結婚式に参列されていますし、国王の葬儀も、ノルウェーやヨルダンなどたびたび出席されています。戴冠式・即位式への出席が戦後78年で5回というのは、招待がないからだったと思いますが、確かに少ない印象です。
■エリザベス女王の戴冠式から始まった戦後皇室の国際親善
――「戴冠式」と「即位式」はどう違うのですか。 戴冠式も即位式も、どちらも即位に伴う一世一代の儀式ですが、王冠をかぶせる“戴冠”が儀式の中心にあるのが「戴冠式」、国民への宣誓などが中心なのが「即位式」です。 写真は、70年前に行われたイギリス・エリザベス女王の戴冠式の様子です。イギリスの戴冠式では、国民の代表による国王承認に始まり、誓約が行われ、戴冠で式は最高潮に達します。