知事に伊勢型紙の肖像画贈る、彫型画作家の大杉さん 三重
伊勢型紙の彫刻技法から生まれた「彫型画」の作家で、伊勢型紙彫型画会の会長を務める大杉華桜さん(33)=鈴鹿市寺家3丁目=が26日、一見勝之三重県知事に肖像の彫型画を贈った。 大杉さんは江戸時代から伊勢型紙を継承する大杉家の7代目。3月にはフランスのコルマール市で自身初となる海外個展を開いた。来年9月にはイギリスでも展示会の開催を予定している。 一見知事の肖像画を制作したのは、今春に「第23回県文化賞」の文化奨励賞を受けたことがきっかけ。表彰状を受け取った際に一見知事を見て「一瞬で顔の特徴を把握した」という。 その後は一見知事の写真や動画などを参考に、1カ月ほどをかけて一見知事の下絵を描いた。伊勢型紙彫型画会が生み出した「斜彫」と呼ばれる独自の技法で濃淡を表現したという。 この日、県庁を訪れた大杉さんは「フランスでは肖像の彫型画が人気だった」と振り返った上で「多くの人に彫型画の魅力を知ってもらいたい」と、イギリスで開く展示会への抱負を語った。 肖像画を受け取った一見知事は「とても素晴らしい」と絶賛し、秘書課のロビーなどに飾ると説明。「展示はイギリスでも喜ばれると思う。これからも三重の文化を広めてほしい」と激励した。