“日本キャニオン”の新事実…明らかにしたのは女子大学院生!「世界の模式的な地域に」 青森県深浦町・十二湖
RAB青森放送
深浦町・十二湖の景勝地「日本キャニオン」の新事実です。 弘前大学大学院の学生がその生い立ちについて新しい研究成果を明らかにしました。 世界遺産・白神山地の西部に位置する十二湖。 このエリアにある断崖絶壁「日本キャニオン」は白い岩肌がそびえる人気の景勝地です。 ★秋田から 「やっぱりきれいだよね 紅葉の中にぽつんとああいう所があれば見応えがある」 しかし、どのようにして巨大な白いが絶壁ができあがったかは謎に包まれていました。 この謎に迫ろうと、3年近くこの日本キャニオンの成り立ちを研究している学生がいました。 弘前大学大学院2年の金指由維さんです。 ★弘前大学大学院 金指由維さん 「白神山地とその周辺について紹介している番組があって、その中で日本キャニオンが紹介されていたんですけど、日本キャニオンがどういう風にできたかというのは紹介されていなくて疑問を持ったので」 素朴な疑問から、長い道のりとなる研究が始まりました。 金指さんは大学の岩石鉱物学グループのメンバーたちと、これまで何度も現地に足を運んでその正体を突き詰めました。 ★弘前大学大学院 金指由維さん 「日本キャニオンを構成している十二湖凝灰岩が、水中で噴出したハイアロクラスタイト(水中で形成される火山岩)を主体とした溶岩ドームであるということを新たに見いだしました」 研究の結果、深海から噴出した流紋岩質のマグマが海水で急速に冷やされ細かい岩石のかけらとなって積み重なりできあがった巨大な溶岩ドームが、日本キャニオンの正体だったと結論づけました。 また、できあがった年代はおよそ1200万年前で、20万年ほどと短期間で形成されたこともわかりました。 この時期に起きた火山活動としては最大規模のものだということです。 研究成果は今年9月に山形大学で開かれた日本地質学会で発表。 研究を支えてきた弘前大学の折橋教授も、この成果は大きな1歩になると指摘します。 ★弘前大学理工学部 折橋裕二教授 「今回のような流紋岩というのは世界でもほとんど記載がなくて、今後金指さんの記載がきちんと論文化された暁には世界の流紋岩の水中噴火の模式的な地域になると思っています」 白い岩肌がそびえる美しい日本キャニオン。 その歴史や価値に思いをはせると、より観光が楽しめそうです。