「日本一暑いまち」の隣で「高温に強いコメ」を開発 進む温暖化"10年後も美味しいお米を"
■1等米の比率品種で違い 農林水産省によりますと、平均気温が上昇した近年、品質の良い1等米の比率は減少傾向で、去年は60・9%(速報値)と過去最低になりました。 ただ、品種別にみると、その割合には、顕著な違いがみられます。 高温に弱いコメは、全体の収穫量のうち1等米が20%に満たないのに対し、「元気つくし」は80%前後と高い水準で推移しています。 ■今年の猛暑「肥料分が抜けてしまう」 今年の8月下旬の平均気温は「29・2℃」で去年より0・5℃高く、9月上旬の平均気温は、「28・4℃」と1・7℃高くなっています。 数字で見ると1℃ほどの差ですが、コメにとってはこの違いは大きいといいます。 記録的な猛暑となった今年、「元気つくし」は順調に育っているのでしょうか。 「元気つくし」を育てる長野久さん「まあまあのできかなとは思っています」 暑さに負けず元気に育っていました。 生産者は暑さに耐えられるよう、例年より多く肥料をやり手間をかけたため、品質に影響はないとみられるということです。 「元気つくし」を育てる長野久さん「あんまりこんなに暑いとですね、早く肥料分が抜けるんですね。あとで肥料を足してあげないとだめですね」 ■「10年後にも美味しいお米」 福岡県は今「元気つくし」よりもさらに「高温に強いコメ」の開発に取り組んでいます。 福岡県農林業総合試験場 水稲育種チーム 高田元気 チーム長「今よりもっと暑くなることを想定して10年後の気象条件にも耐えられる品種、10年後も安定して品質の良くて美味しいお米を作れるように育種に取り組んでいく」 新しい品種を生み出すのに10年はかかると言われているコメの品種改良。 「日本一の暑さ」にも負けないコメの開発が進んでいます。
RKB毎日放送