「鍵があればいい」安ホテルに泊まり世界30都市で単身「ねんど教室」岡田ひとみ(43)テレビでは見られないバイタリティの源
題材は、日本のものを作るか、現地で人気のあるものを作るかのどちらかですが、やる前に現地の人と相談して決めています。ブータンで教室をしたときは、私たちがよく目にするようなクッキーとかキャンディを知らないと言われたので、日本の文化とともにお寿司の作り方を紹介しました。 ブータンは海のない国なので、「日本では生の魚をご飯の上に乗せて食べるんですよ」「日本は人口がこのぐらいで~」と最初に説明してから始めましたね。
── 印象的だった出会いはありますか? 岡田さん:去年いろんな国を回ったなかで、アメリカの自閉児教育専門の学校のひとつである「ボストン東スクール」で教室をしたんです。私自身、初めての経験で緊張していたんですけど、先生方も最初に「どんな反応をするのかわからない」とおっしゃっていて。 うまくいかないのではないかという心配があるなか、子どもたちは本当に上手に、楽しそうにねんどを作っていて。しかも、保護者の方がすごく喜んでくださったんです。普段はSNSに自分の子どもの写真を載せてほしくないという方が、「日本からねんどを教えに来てくれるなんて、すごく素敵なことだから協力したい。写真も自由に撮っていいですよ」と言ってくださったり。1回きりで終わりではなく、また行けたらいいなと思ってるし、私がいなくてもねんどを続けてくれたら嬉しいです。
── なぜそこまで情熱が持てるのでしょう。 岡田さん:もちろんいつかは海外にも仕事として呼んでほしいという思いはあります。そのほうができることも増えるし、アシスタントを頼めれば、もっと大人数に定期的に教えられたりするし。 でも、まだ私自身が勉強の意味で海外に行っているところもあるので。気候が違ったり、売っている材料が違ったりするので、そういったことも意識してリサーチしつつやっています。日本とはまた違う環境でレッスンをしたとき、どんな反応が起こるのかを楽しみにしているんです。
PROFILE 岡田ひとみさん 1980年生まれ。ねんど職人+アイドル=ねんドルとして、日本や海外で子ども向けのねんど教室を開催。Eテレで放送中の『ニャンちゅう!宇宙!放送チュー!』で「おねんどお姉さんひとみ」「コネル」としてレギュラー出演し、今年で12年目。 取材・文/市岡ひかり 写真提供/株式会社チーズ
市岡ひかり