aiko「洗脳騒動」で露呈した“芸能人と恩人”のいびつな関係 業界人は「ミュージシャンは洗脳されやすい」
6月18日、歌手のaiko(48)が代表取締役を務める芸能事務所「buddy go」をめぐる特別背任事件の第2回公判が東京地裁で開かれた。出廷したaikoは、会社法違反(特別背任)の罪に問われた元取締役・千葉篤史被告(58)に対し、「洗脳されていた。逆らえば音楽制作が止まってしまう恐怖があった」などと証言した。 【写真】宗教団体教祖と結婚し「洗脳された」と言われた人気女優はこの人 超人気ミュージシャンが“洗脳”されていたとは一体どういうことなのか。 事件の経緯を整理すると、千葉被告は2016年~19年までの間にツアーグッズなどを実際の価格より約1億円上乗せして知人の取引先から仕入れ、会社に損害を与えたとして起訴されている。検察側によると、水増し分は自分の口座に入金し、ブランド品の購入などに充てていたとされるが、千葉被告は無罪を主張している。 この日、ついたてで遮蔽(しゃへい)された形で証言台に立ったaikoは、レコード会社の担当者だった千葉被告とデビュー当時に知り合い、アドバイスに沿って音楽活動をしてきたと回顧。被告からの提案で09年に自身の会社の取締役に就任させたとし、「支配下にあった」「洗脳されていた。逆らえば音楽制作が止まってしまう恐怖があった」などと証言した。
■被告はファンの間でも「有名人」 また、千葉被告に「経営が苦しい」と言われ、計4億6000万円を会社に貸したことも証言し、「ライブは毎度満席なのに何でだろうとは思ったが、会社の収支は一切教えてもらえなかった」と振り返り、千葉被告の不正に関しては「音楽を続けられなくなるかもしれないと思い聞けなかった」と苦しい胸の内を明かした。 そのうえで、事件を知った時の気持ちについては、「(千葉被告は)最低だと思いました。自分の音楽を否定されたような気持ちになり、すごく悔しかった」と語った。 音楽誌のライターは、aikoと千葉被告の特殊な関係をこう語る。 「幼少期から歌手に憧れていたaikoさんは高校生の頃からピアノで作曲をしたり、バンド活動をしたりする中、短大生の時に『TEENS' MUSIC FESTIVAL』でグランプリを獲得しました。それをキッカケにプロのアーティストとしての道を歩むことになります。当時所属レコード会社の担当者だった千葉被告とは、aikoさんがまだ芸能界や音楽業界のことをよく分からない新人の頃に出会い、二人三脚でともに歩んで来たこともあって、長きにわたって全幅の信頼を寄せていたようです。実際、aikoさんがライブなどで“盟友”のような存在としてその名前をたびたび口にすることから、ファンの間では千葉被告は広く知られた存在でした。後年になって、お金に関する疑問を感じることがあっても、本人も裁判で証言しているように、“聞くに聞けない”間柄だったのでしょう」