現職引退、新人4人準備 いずれも保守系がサポート…保守層分散、混戦の様相 川越市長選、26日投開票
埼玉県川越市のリーダーは16年ぶりに、新顔が座る見通しとなった。現職で4期目の川合善明氏(74)が2024年8月、今期限りでの引退を表明。選挙戦には元裁判官の森田初恵氏(42)、元県議の山根史子氏(40)、元市議の樋口直喜氏(41)、元市議の小野沢康弘氏(70)の無所属新人4人が、これまでに出馬の意向を明らかにしている。 公務員人気、下がっているはずが…応募急増1・5倍に 春日部市の新庁舎オープン前、完成予想図を出した瞬間から受験者急増【写真4枚】
4氏はいずれも、自民など保守系関係者のサポートを受けたりして選挙戦に臨む。このうち野党系の山根氏には自民と立民、国民の3党が推薦を出し、与野党相乗りの構図を築く。山根氏への推薦について自民関係者の間には困惑もくすぶっている。保守層の支持が分散するとみられ、混戦の様相を呈している。 川越市は1922年に県内で初めて市制施行した歴史を持ち、人口約35万人。重厚な蔵造りの町並みを擁し、国内外から観光客が訪れる。一方、財政は経常収支比率が99・8%(2023年度時点)と非常に高く、硬直化が指摘されている。行財政の立て直しをはじめ企業誘致への展望、大小の河川を擁する市域での災害対応、学校給食費の無償化などで論戦が展開されそうだ。 森田氏は15年間にわたった裁判官を辞め、4氏の中で最も早い24年8月に出馬の意向を表明。同12月27日の集会には自民県議らが姿を見せた。「クリーンがプライド」を打ち出し、「市民のために働く。既成政党の壁に立ち向かう」と、学校給食の無償化や企業誘致推進を挙げる。
3党の推薦のほかに社民川越総支部の「支持」も得て選挙戦に臨むのが、山根氏だ。24年8月に党籍があった国民を離党し同9月、県議を辞職した。同12月8日の会合には立民衆院議員や自民県議らが出席。「活気と希望に満ちあふれるわくわく川越を実現したい」と力説する。 樋口氏は市議約10年のキャリアを経て、市長選に初挑戦。かつて在籍した保守系会派の市議が全面的にサポートする。24年11月20日の会合には市議や自民県議らが駆け付けた。「まちを成長させながら、財政の健全化を進める好循環をつくる。支出の見直しを実行する」と強調する。 小野沢氏は24年11月に出馬意向を表明し、臨戦態勢に入った。市議時代は樋口氏とは別の保守系会派に所属。12月23日の会合には川合市長や会派の元同僚市議らが集まった。「歳出構造の中身を変えなければならない。歴史・文化・芸術都市をしっかりした形で目指す」と訴える。 市長選に関して公明党は自主投票としている。共産が参加している団体「民主市政の会」も自主投票という。
市議2人の辞職に伴う川越市議補選も、市長選と同日の日程で行われる。