豊後大野市「誰もが安心して観光を」 ジオパークのガイドがバリアフリ―のもてなし学ぶ
大分県豊後大野市は、年齢や障害の有無にかかわらず誰もが安心して観光できる「ユニバーサルツーリズム」の推進に力を入れている。昨年度までに案内看板の設置などハード面を中心に整備。本年度はソフト面の強化にも着手し、おもてなしなどに磨きをかけている。 9月中旬、ジオパークのガイド向けの研修会を市内で開き、認定ガイドでつくる「おおいた豊後大野ジオパークガイド」の会員ら約20人が参加した。 同市三重町の中央公民館では、鎮西学院大(長崎県諫早市)の山口弘幸教授(46)と別府・大分バリアフリ―ツアーセンター(別府市)の若杉竜也代表(51)の講演があった。 全国のジオパークで調査研究をしている山口教授は「市内には多目的トイレが拠点施設にあるなど誰もが安心して過ごせる環境が整っている」と評価。課題として「滞在型観光を見据えたコース設定や体験プログラムがあるとさらに充実する」などと話した。 同市緒方町の原尻の滝で実地研修。車椅子で観光ルートを回ると、ちょっとした段差や斜面が障壁になり、石畳ではタイヤがはまって動きづらいことを実感。車椅子に取り付けて人力車のように引っ張る補助具を使うと楽に移動できることを体験した。 ガイド会の高野京子副会長(62)は「足場が悪いから行けないなどと諦めるのではなく、工夫次第で対応できることが分かった。年を取っても、障害があっても、誰もが楽しめる観光地を目指したい」と話した。