15日夜の金沢駅のホームは、カメラやスマートフォンを持つ多くの人であふれていました。そのお目当ては、大阪と石川を結ぶ特急「サンダーバード」です。16日土曜日から北陸新幹線が延伸されるのに伴い石川県内でのラストランを迎えました。 　　　◇ 15日夜、金沢駅を出発する最後のサンダーバードがホームに入ってきました。特急サンダーバードの金沢から大阪に向かう最終便。その勇姿を見届けようとホームには多くの人が集まりました。最終便が発車すると、集まった人からは「ありがとう！」との声も聞かれました。 中学3年生 「ついに終わるのかと思いましたね。いろんな写真を撮れて自分としては満足ですね」 同じく石川県では、15日がラストランの「特急しらさぎ」が走っていました。自由席は埋まり、連結部分のデッキにも多くの乗客がみられました。 福井県でも子どもたちが「ありがとう！」とお見送りをしていました。 　　　◇ 特急サンダーバードは1964年に大阪と富山を結んだ「雷鳥」の後継として1990年代にデビュー。特急の本数が多く「特急銀座」と呼ばれた北陸本線の顔として、観光や帰省など人々の移動を支えました。 大雪の影響で足止めされた際には、地元の住民が乗客におにぎりを振る舞うなどして運行を支えたこともありました。 大阪府と石川県を結ぶ特急サンダーバード。16日から北陸新幹線が福井県の敦賀駅まで延伸されるのに伴い、サンダーバードは大阪～敦賀間に短縮されます。すると、どちらも通らないのが和倉温泉駅です。 セレモニーも行われる中、一足早くラストランが行われました。 石川・中能登町から来たサンダーバードの乗客 「さみしさはあります。長いこと石川県にいてくれてありがとう」 能登を代表する観光地の一つ和倉温泉は地震で大きな被害を受け、大半の温泉ホテルが今なお休業。地元では不安の声も聞かれました。 販売店店員　堀井敏江さん 「（サンダーバードは）直通だったもので心強かったから、それがなくなるとなるとちょっと戸惑いはありますけど」 “別れ”がある一方で…。 16日、悲願の「北陸新幹線」がやってくる福井駅では新たな恐竜モニュメント「ティラノサウルス」が動き始め、新幹線を迎え入れる準備は万全となっていました。 福井県民 「夢がひとつはずむかなと」 さらに… 平和堂旅行センター　アル・プラザ敦賀営業所　和家修平所長 「（予約が）通常よりは5倍から6倍くらいもうお客さんが殺到しました」 能登半島地震で影響を受けた観光業を支援する「北陸応援割」も16日にスタートします。 　　　◇ 中島芽生キャスター 「北陸新幹線いよいよ延伸するということですがいかがですか？」 執筆・書評などでも活躍　金曜日パートナー　俳優　南沢奈央さん 「私自身、旅が好きなのですごい楽しみな話題です。金沢は昨年末も1人で行った好きなエリアで、こうした旅の時に新幹線に乗ったり、車でドライブしたり、旅行の時の『道中』が好きなので、この新幹線が延伸するのがすごく楽しみです。ただ、まだ大変な思いをしている人もいると思いますけど、こういう話題で改めて北陸が注目されて人がたくさん集まればいいなと思いますし、被災地にも明るい兆しになればいいなと思っています」 （3月15日放送『news zero』より）