広島・松山 不惑の覚悟「前向いてやるしかない」 来季40歳ベテラン不退転の決意 大減俸も一発サイン
広島・松山竜平外野手(39)と田中広輔内野手(35)が広島市南区の球団事務所で契約更改交渉に臨み、ともに減額制限(1億円以下は25%)を超える大幅減で一発サインした。両ベテランは来季に向け、不退転の決意を示し、逆襲を期した。 来季18年目を迎える松山は自身が置かれる厳しい現実を受け止めていた。今季の年俸6500万円から46%、3000万円減となる来季年俸3500万円で一発サイン。更改後、来季にかける思いを短い言葉に込めた。 「やるしかない。前を向いてやるしかないです」 土俵際まで追い込まれたチーム最年長は、腹をくくって25年シーズンに臨む。今季は65試合の出場で打率・178、1本塁打、10打点。主に代打の切り札として期待されたが、代打での打率は・164と苦しんだ。8月以降は2度の2軍落ちを経験するなど、不完全燃焼で終わった。 新井監督は10月5日の最終戦セレモニーで「来シーズンはさまざまなことが変化する年になる。痛みも生じてくる」と発言していた。来年9月で40歳となるベテランも自身の立場がより厳しくなることは理解した上で、逆襲に燃えている。鈴木清明球団本部長も「戦力として見ている。切羽詰まった状況になってきて、若手との競争だろうけど、頑張ってもらいたい」と期待を寄せた。(長谷川 凡記) ≪広輔も大幅減俸 引退覚悟の決意≫ 田中も今季年俸5000万円から40%、2000万円減の来季年俸3000万円で一発サインした。12年目の来季は引退覚悟の決意で臨む構えだ。 「結果が全て。ケガをしたら引退なので、まずはケガをしないこと。その中で、技術もそうですけど、精神的な部分とか、今年感じたこともあるので、思い出しながら、落とし込んでやりたい」 今季は66試合に出場しながらも打率.156。先発出場はわずか17試合に終わった。代打としても31打数2安打で打率.065と少ないチャンスを生かせなかった。「(代打という)特別なポジションを今年経験して、しんどさも大変さも分かった。練習の仕方とかも変えようかなというのはある」。チーム内の世代交代が進むにつれ、立場は厳しくなっても、存在感を示すために努力は怠らない。今オフは精神面の強化とともに、打撃強化をテーマに置き、己と向き合う時間を大切にしていく。