正社員選ばなかった23歳 前向きだった就活が〝恐怖〟に 「早くやめたい」一心でもらった内定だったが…
最初は就活に前向きだったのに、途中から「就活サイト恐怖症」に。内定を得ながらも、卒業後のファーストキャリアに正社員を選ばなかった理由とは――。(withnews編集部・金澤ひかり) 【画像】「就活で死なないで」お祈りメール、ビルの上に立つ就活生が見たもの
「最初はすごくやる気」
現在、都内で2つの仕事を掛け持ちしている23歳の女性。 昨年の春から、都内のコワーキングスペースでフルタイムの契約社員として働きつつ、月に2回ほど、別のコワーキングスペースでアルバイトとして働いています。 「最初は就活に対してすごくやる気があったんです」 自身の就活を思い出しながら、女性は振り返ります。 大学3年生になりたての頃、大学から就活にまつわる情報が共有されるようになったという女性。適性検査「SPI」の講義があったり、インターンに行くことを勧められたり……。就活に便利なサイトの紹介もあったそう。 「勧められたサイトは全て登録していました。『就活嫌だなあ』という気持ちはありつつも、『やるか!』という感じで始めました」 「最初は何の疑問もなかった」という女性ですが、インターンの選考を機に考えが徐々に変わっていったといいます。
インターン選考、全て落ちた
3年の夏にあった、企業のいわゆる「サマーインターン」に複数申し込んだ女性。クリエイティブな業界に興味があったこともあり、広告やエンタメ業界など数十社に申し込みをしたそう。 ただ、すべて、書類選考で落ちてしまいました。 「興味のある会社はあったけど、上には上がいるというのを実感してしまったんですよね。私の大学は名の知れたところではなく、留学のことを話す他大学の友人もいる中、私はコロナ禍で過ごした大学時代にがんばったこともなく……」 他方、バイト先の友人からは、インターン先での出来事を聞かされ、「だいぶ落ち込んでしまいました」。 「この先どこにも就職できないし、働けない」と思い込んでしまったという女性。 「もう無理」という気持ちを抱えながらも、3年の冬の時点では業界を絞らず、いくつかの会社にエントリーをしていました。 ただ、その頃にはインターンでの挫折のショックや、就活の「作法」を知り、「就活自体に嫌悪感を持ってしまっていた」といいます。 「リクルートスーツを着ないといけないとか、髪色は黒じゃないといけないとか、『そこを気にしないといけないの?』と思いはじめると、就活が宗教のようにも感じ始めてしまったんです」 そうなると、就活にも身が入らなくなり、就活に使っていたアプリをすべてスマホから消してしまいました。 「就活サイト恐怖症になっていました」