もしトランプ政権になれば、「イスラエルとハマスの停戦」の可能性はある
テレビ東京・解説委員の山川龍雄が3月22日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。イスラエルによるラファ侵攻について解説した。
イスラエルがラファ侵攻へ
イスラエル・ネタニヤフ首相の側近であるデルメル戦略問題担当相は3月21日、アメリカを含む全世界が反対しても、最終的にパレスチナ自治区ガザ南部ラファに侵攻し、イスラム組織ハマスを打倒するだろうと発言した。 飯田)21日に投稿されたアメリカのポッドキャストで、「我々はこの責務を完遂する」と明言したそうです。 山川)思い起こせば当初、イスラエルは関係のない避難民の人たちに、テロ退治のため北部を攻撃するから「ガザ南部に避難してくれ」と言っていた。ところが、ラファはガザ地区の最南端、エジプトとの国境沿いにあります。
ネタニヤフ政権の狙いはガザ地区を占領すること
山川)つまり、比喩表現としては残酷かも知れませんが、イスラエルがやろうとしているのはトコロテンです。どこにも住む場所がない状態まで(人々を)押し込んでいる。イスラエル・ネタニヤフ政権の狙いは、ガザ地区をなきものにして、自分たちイスラエルのものにする。結局は「占領を考えていたのだな」と思います。 飯田)パレスチナ自治政府などとの「2国家共存」体制ではなく。 山川)よく言われているように、ネタニヤフ政権は汚職問題があった上、ハマスによるテロを許したことで相当責められているのです。この戦争が終わると、おそらく政権を追われてしまう。いまは戦時体制なので、極右政党と連立政権を組んでいる状態です。その極右政党は、イスラエルの入植地を広げていくという思想を持っていますから、そこに乗っている状態なのです。ですからネタニヤフさん自身は、自分の存命のために戦争を続けている。 飯田)自身が生き残るために。 山川)ガザ地区では死者が3万人を超えたと言われています。一方、イスラエル側は千数百人です。テロ行為に対する反攻だとしても、さすがに認められないレベルの比率になっている。通常であれば、ここでアメリカが止めるのですが、アメリカがあれだけ止めようとしても止まらないのは、ネタニヤフ氏自身の置かれている環境が相当影響していると思います。