【04 Limited Sazabys ライヴレポート】『04 Limited Sazabys 15th Anniversary 「THE BAND OF LIFE」』2023年11月11日 at 日本武道館
開演前BGMにThe Beatlesの曲がずっと流れていた。彼らは日本武道館で初めてコンサートを行なった第一号バンドである。けれど、ここで流れている意味は、それだけではない気がした。04 Limited Sazabys(以下、フォーリミ)が結成15周年を祝し、“THE BAND OF LIFE”と題したワンマンライヴを11月11日と12日の2デイズに渡って開催した日本武道館公演。ここではその初日の模様をお伝したい。 04 Limited Sazabys 日本武道館公演 その他の写真 オープニング映像として、フォーリミ・メンバーの子供時代を子役が演じる姿(※ボードゲームをやっている)が映されたあと、GEN(Vo&Ba)、HIROKAZ(Gu)、RYU-TA(Gu&Cho)、KOUHEI(Dr&Cho)のメンバー4人が登場。“声出せ! かかってこいやー!”とRYU-TAが叫ぶや、耳をつんざく爆発音とともに「monolith」でショーはスタート。初っ端から切れ味鋭いアンサンブルを観客に浴び、早くも武道館を小さく感じるほどの存在感をアピールした。 「knife」ではステージ上から多くの炎が噴き上がり、武道館ならではのど派手な演出に圧倒されるばかりだ。次の「Finder」で炎とスモークが入り乱れ、全体的にライティングも特筆すべき素晴らしさで、楽曲の魅力を一段と底上げしていた。そして、“新しいバンド史の道標”と前置きして「Milestone」を披露。さらにパワフルかつ骨太のバンドサウンドを叩きつけ、15周年という年輪を演奏でも見事に体現していた。 中盤辺りにはお祝いコメントのムービーを挟み、そこでは藤井聡太、空海、バンクシー、フワちゃんなど錚々たるメンツにコスプレしたメンバー4人が祝福の言葉を送り、会場は大爆笑に。しかし、その流れから一転、今年10月に出た初のセルフカバー作『Re-Birth』から「Re-fiction」「Re-Squall」「Re-swim」の3曲をアコースティックバージョンでプレイ。とりわけ、クラムボンのミトが手がけた「Re-swim」ではストリングス隊の6人を加え、御伽噺の世界に誘うような夢見心地の音色を紡ぐ。また、多彩な表現力で魅了するGENの歌声に感動せずにはいられなかった。 “前回の武道館から7年、地に足をつけてバンドマンらしくやれている。みなさんが僕らの誇りです!”とGENはこれまでの道程を振り返りながら、支えてくれたファンに感謝の言葉を述べる場面もあった。後半も2ビートを用いた「Lost my way」を皮切りに“みなさんに愛を込めて”と告げて、「milk」「soup」「eureka」と歌心を前面に押し出した曲調を放ち、武道館は静かな感動に包まれていった。 本編を「Just」で締め括り、アンコールに応えるフォーリミ 。“武道館2デイズが埋まるとは思わなかった”とHIROKAZはこぼしていたけれど、両日ともにソールドアウトという事実にメンバー自身が少し驚いている様子だった。バンドというスタイルが好きで、自分たちは好きなことをやってるだけなのに、誰かを救えたり、元気にできたり、生きる活力を与えられることの素晴らしさを改めてMCで力説するGEN。さらに、“バンドライフはまだまだ続く。いつでも来てください!”と宣言し、初日は余力を残さずに「Terminal」「swim」の2曲を会場の四隅まで精いっぱいに届け、大団円を迎えた。 全29曲、2時間20分に及ぶワンマンライヴは間違いなくバンドの集大成と言える内容だった。それと同時にフォーリミの新しい未来を示すようなショーでもあった。今後も挑戦を繰り返しながら、ライヴハウスや大きな会場でも演奏しつつ、根っこになるパンクマインドは依然変わらない。2ビートの疾走曲もやり続けるし、ストリングスを導入したアレンジにも果敢にトライする。その底流には自分たちが本当にカッコ良いと思うことしかやらないという強い信念がちゃんとある。この日はそれを再確認した一夜となった。フォーリミは揺るぎない信念を持って、これからも未来をクリエイトし、より一層多くのファンを開拓していくに違いない。今日BGMで流れていたThe Beatlesのように、時代を超えて愛され続けるバンドを、彼らは目指しているのではないだろうか。そう考えると、今後のフォーリミの展開がますます楽しみになってきたのは言うまでもない。 撮影:ヤオタケシ、藤井拓/取材:荒金良介 セットリスト 01.monolith 02.knife 03.Finder 04.escape 05.days 06.climb 07.in out 08.Chicken race 09.Milestone 10.Grasshopper 11.kiki 12.Alien 13.Re-fiction 14.Re-Squall 15.Re-swim 16.Standing here 17.Now here, No where 18.Warp 19.midnight cruising 20.Lost my way 21.Night on 22.imaginary 23.milk 24.soup 25.eureka 26.Horizon 27.Just <ENCORE> 01.Terminal 02.swim
OKMusic編集部