9カ月連続赤字「このままで終わりたくない…」 バイトをしながら店舗を維持!?「ストレス解消店」のサバイバル挑戦
日々に忙殺されていると、言葉にできない気持ちのぶつけ場所に悩むことがある。愛知県名古屋市北区にある「ぱりんぱりんハウス」は、そんな感情の受け皿になってくれるユニークなお店だ。 【動画】総額100万円ほど広告にお金をかけたのに…大赤字店長の思い このお店、実はストレス解消専門店。防音室でビンを投げて割ったり、サンドバックを叩いたりして、溜め込んだモヤモヤを発散できるのだ。
バーの来店客から「ビンを割りたい」と言われて…
オーナーの西脇久展さんは、もともとバーを経営しており、飲食店関係以外のビジネスにもチャレンジしたいと考えていた。 そんな時、訪れたのがコロナ禍。誰もがストレスを抱える状況下となった、ある日、バーに来たお客さんが外出自粛に関するストレスを吐き出し、「ビンを割ってみたい」と吐露。そこで、店のスタッフに店内の壁に向けてビンを投げてもらったところ、思った以上の爽快感を得た。 面白さを感じた西脇さんは、他の破壊系アミューズメントをリサーチ。ヘルメットや防護服などで体を守りながら、防音室で安価にビン投げが楽しめる“ストレス発散店“を作った。 「割れた瓶はリサイクル工場に持っていき、新しいビンはバーで繋がりのある酒屋にもらっています」 安全かつ安く楽しめるお店なら、色々な人に受け入れてもらえるのではないだろうか。西脇さんはそう考えていたが、現実は想像以上に厳しかった。開店当初、来店客は1週間でわずか3人。最長で9カ月連続赤字となった。 その後、徐々に客足は増え、土日祝には30人ほどが来店してくれるようになったが、お店は今も赤字の状態。西脇さんはバーを経営する傍ら、車屋でバイトもし、お店を維持している。
ストレス解消後の笑顔で「やっててよかった」を噛みしめる
思うようにならない状況を突き付けられ、正直、お店を続けていこうか悩んだこともある。だが、ニーズがないとはどうしても思えなかったため、SNSなどで魅力を配信。より多く人にお店を認知してもらおうと努力し続けてきた。 「ビンを割って防音室から出てこられた時、笑顔になっている方って結構いるんですよね。その瞬間を見ると、嬉しい。ストレス解消になるだけでなく、ビンを割るという、やったことがない経験で高揚感も得られるようです。そういう姿を見ると、やっててよかったと思うんです」 お店では素手でビンをコンクリートブロックに投げる「ビン投げ」(大人12本/500円)の他、鉄筋でビンをフルスイングする「ビン砕き」(大人15本/750円)も体験可能。 ビン割りが体験できる防音室ではBluetoothスピ―カーで好きな音楽を流すこともできるため、より自分の世界に入り込みやすい。 「壊している感がMAXなのは、ビン砕き。ビン投げは12本コースだけでなく、MAX45本のコースもあるので、ストレスの度合いや体調に応じて選び、楽しんでほしいです」