【海外トピックス】マスタング マッハEにラリーバージョン登場。EVが浸透する一手になる?
EV販売で全米第2位のフォード
フォードは、同社の最量販EVである「マスタング マッハE」の2024年モデルに、車高を高めたラリーバージョンを開発、このほど本格的なデリバリーを開始しました。テスラを筆頭にEV販売の減速が伝えられる米国ですが、フォードはEVへの投資を遅らせる一方で、今回のラリーモデルのような車好きに刺さるモデルも開発しています。また、ステラティス傘下のジープやダッジも初のEVを今秋導入します。こうしたスペシャルティーの高いモデルが、EVが市場に浸透するのに一役買うことが期待されます。 【写真】マスタング マッハEをはじめフォードのEVを見る マスタング マッハEは、言わずと知れたフォードのアイコン的なスポーティクーペ「マスタング」の名を冠した同社初のEVとして新開発され、2021年に発売されました。クーペスタイルのボディを流行りのクロスオーバースタイルに仕立てた4ドア車で、サイズ(4.74×1.88×1.61m)もEV販売No.1であるテスラ モデルYとほぼ同じです。2023年の販売台数は40,771 台で、モデルY(39万台)、モデル3(22万台)、昨年で生産を終了したシボレー ボルト(6万台)に続く全米EV販売第4位であり、累計でも12万台以上販売しています。フォードは、マッハEの他にF150ライトニングと商用バンのEトランジットを販売しており、EV販売では2年連続でテスラに次ぐ全米No.2ブランドです。 そのマッハEですが、今年1月の米国政府のEV補助金ルールの厳格化で、それまでの3,750ドルの補助金が適用されなくなり苦戦が予想されていましたが、2月に価格を一挙に最大8,100ドル下げると販売が勢いを取り戻し、今年1~3月では9,589台(前年同期比+77%)と好調を維持しています。2023年モデルは、現在も72ヶ月(6年)ゼロ金利という破格の条件で在庫一掃を図っていますが、ここに来て注目されるのは、オフロードの走行性能を高めたラリー(Rally)が追加されたことです。価格は59,995ドルからで、売れ筋のプレミアム(43,995ドル)やGT(53,995ドル)より上位に位置します。