「”この子”も、僕の骨つぼに入れてやってくれませんか」「ペットはダメです」…火葬場職員が明かす「知られざる火葬のルール」
元火葬場・葬儀屋職員の下駄華緒さんが、1万人のご遺体を見送ってきた経験を元に原作をつとめた『最期の火を灯す者 火葬場で働く僕の日常』(漫画:蓮古田二郎)が、重版を重ねるヒット作となっている。 【マンガ】まさか…火葬中、ガン患者の遺体から飛び出した「絶対にありえないもの」 10月31日には、最新刊となる『最期の火を灯す者 火葬場で働く僕の日常(4)』が発売された。その衝撃的な内容が、ネットを中心に話題沸騰中だ。 4巻目では一般人がほとんど知らない火葬場のディープな内容まで紹介されている。その知られざる世界を、下駄さんに案内してもらった。
大事なペットの遺骨問題
いまの時代、ペットは家族の一員としてどの家庭でも大事にされている。下駄さんの同僚である蒲田さんも、そんな大事な存在と暮らすひとりだ。 ずいぶんと前から「金太郎」という名の金魚を飼っており、蒲田さんの顔を見ると近寄ってくるほど懐いているという。 しかし最近、蒲田さんはいつか訪れる自らの死、そして大切なパートナーである金魚の死をついつい考えてしまうのだという。とりわけ気になっているのが、遺骨の扱いだ。
人間と動物の火葬の違い
人間と金魚には寿命に大きな違いがある。おそらく先に金魚の金太郎がこの世を去ることになるだろう。飼い主である蒲田さんが逝くのは、そのあとだ。 いつも冷静な蒲田さんだが、不可能なことは理解しつつ、このときばかりはつい本音を語ってしまう。 「もし僕が死んだら、金太郎の骨も僕の骨つぼに入れて欲しいと思っているんです」 下駄さんが、人間と動物の火葬の違いを解説する。 「家族同然に扱われるペットですが、仏教では畜生に分類され、人間とは明確に区別されています。六道輪廻の教えでは、動物は死後別の世界に進むとされているのです。そのため基本的には、人間と一緒に火葬したり、同じお墓に入れたりすることは禁じられています」 また、故人や遺族への配慮もあるという。 「そもそも動物嫌いの人もいますし、動物を人間と同じ炉で火葬することを嫌がる方もいます。お墓でもそれは同じで、墓地に動物が眠っていることを好ましく思わない方もいる」 火葬場職員である蒲田さんもこのルールは当然理解しているが、ひとりの飼い主としての心境は複雑に違いない。 実は蒲田さんは、もうひとつ悩んでいた。さっきほど担当したばかりの火葬で、動物らしき骨を見つけてしまったのだ。 きっと遺族が亡くなったペットをこっそり入れたに違いない。そう確信した蒲田さんだったが……。 つづく〈「ウソだろ、足の指が“50本”に増えてるぞ…」火葬場職員が仰天…火葬炉から出てきた「前代未聞の遺骨」〉では、この骨の驚きの正体と、かつて下駄さんが経験した衝撃の遺骨を紹介する。
週刊現代(講談社・月曜・金曜発売)