J&J、ベビーパウダー訴訟和解金1.1兆円超に引き上げ-関係者
(ブルームバーグ): 米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は、同社のベビーパウダーが原因でがんを発症したと主張する消費者が提起した数千件の訴訟の決着に向け、提案する和解金を82億ドル(約1兆1700億円)に引き上げる。事情に詳しい関係者が明かした。
従来の65億ドルから少なくとも17億ドル以上の引き上げとなる。匿名を条件に明かした関係者によると、新たな条件の下、原告側が受け取る和解金が増額されるほか、約6億5000万ドルの訴訟費用がカバーされる可能性があるという。J&Jはコメントを控えた。
和解交渉は継続中。J&Jは現在販売中止となっているタルク(滑石)を使用したベビーパウダーががんを引き起こすことはなく、100年以上にわたってベビーパウダーを適切に販売してきたと主張している。
J&Jは最近、このベビーパウダーが卵巣がんなど婦人科系のがんを引き起こしたという主張などに対する和解案に原告側の75%以上の支持を集めた。さらに多くの原告が和解案に署名すれば、J&Jはより迅速に破産裁判所を利用し、訴訟解決に向けて設立した子会社に連邦破産法11条の適用を申請させる可能性がある。
一方、原告側の一部が依然として和解案を拒否している中でも、J&Jは近日中に子会社の破産法適用申請を行う可能性もある。
原題:J&J Lifts Baby Powder Settlement Bid to More than $8.2 Billion(抜粋)
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Jef Feeley