【続編が公開中】「グラディエーター」を徹底おさらい 前作には少年時代の主人公ルシアスが登場していた!
巨匠リドリー・スコットが手掛けた名作の続編「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」が、11月15日に公開初日を迎えた。本記事では、続編鑑賞前のおさらいとして、前作「グラディエーター」(00)の魅力を振り返る。 【動画】「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」本予告 「グラディエーター」は、苛烈を極める皇帝の後継者争いの陰謀に巻き込まれ、奴隷の座へと落とされた元大将軍マキシマスが復讐を誓い、剣闘士(グラディエーター)としてコロセウムで極限の闘いに挑むさまを描き、第73回アカデミー賞で最多12部門にノミネート。作品賞、主演男優賞を含む5部門を獲得した。全世界で4億6500万ドル以上を稼ぎ出し、2000年の世界興行収入ランキングで第2位を記録するなど、世界中を熱狂させた。 皇帝から次期皇帝の座を託された将軍マキシマス(ラッセル・クロウ)。しかし、それを許さない皇帝の息子コモドゥス(ホアキン・フェニックス)は、新皇帝の座につくために父を殺害。さらにマキシマスの妻子をも手にかけ、彼を奴隷の身へと陥れる。家族、地位、全てを失ったマキシマスは剣闘士となって新皇帝への復讐を果たすためにコロセウムで死闘を重ね、一躍剣闘士として名を馳せていく。そんなマキシマスの存在を恐れるようになったコモドゥスは民衆が納得する方法でマキシマスを処刑するため、コロセウムで一騎打ちの決闘を行う。 CGに頼らずに、リアルな人間の生き様を描くスコット監督のこだわりから、実物大のセットや当時の最新技術を駆使した圧倒的な映像美で多くの観客を魅了。映画音楽界の巨匠ハンス・ジマーが手掛けた壮大かつ叙情的な名曲の数々も、作品の世界観を彩った。 主人公のマキシマスを演じたラッセル・クロウは、公開当時36歳。本作でアカデミー賞主演男優賞に輝き、以降も「ビューティフル・マインド」(01)や「シンデレラマン」(05)、「レ・ミゼラブル」(12)など数多くの作品でその存在感を示した。マキシマスと因縁の関係にある皇帝・コモドゥスを演じたのは、「ジョーカー」(19)で第92回アカデミー賞主演男優賞を獲得したホアキン・フェニックス。本作は生死をかけた剣と剣のぶつかりあい、そして鬼気迫る演技合戦が観る者の心をわしづかみにし、2人にとって出世作となった。 続編となる最新作「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」は、マキシマスとコモドゥスが時代に一つの区切りをつけてから、十数年後が舞台。主人公は、将軍アカシウス(ペドロ・パスカル)率いるローマ帝国軍の侵攻により愛する妻を殺され、捕虜として拘束されたルシアス(ポール・メスカル)。全てを失いアカシウスへの復讐を胸に誓ったルシアスは、謎の奴隷商人・マクリヌス(デンゼル・ワシントン)に買われローマへと赴くことに。そこで剣闘士となった彼は、復讐心を胸に、力のみが物を言うコロセウムで待ち受ける戦いへと踏み出していく。 予告編では、主人公ルシアスが、前作の主人公マキシマスと皇帝の姉ルッシラ(コニー・ニールセン)の息子だったことが明らかに。前作には、自分の父親とは知らずにマキシマスの闘いに熱狂し、憧れを抱いた“少年時代のルシアス”が登場していた。時代と政略に翻弄され、異国の地で孤独に育った少年はどのような成長を遂げたのか。王族から一転、奴隷として再びローマに戻った彼は新たな“英雄”となれるのか。 前作の主要キャストで唯一、続投したコニー・ニールセンは、前作への思い入れから、新しいストーリーが本当に必要としない限り、続投はしないと決めていたという。24年の時を経て続編制作が始まることになり、「コモドゥスとマキシマスが2人とも死んでしまった今、どうやってストーリーを構築するんだろうと思った」ことを明かすとともに、「でも、彼らが考え出したものは本当に素晴らしかった。これは私にとって、人々の心を動かし、見守られていると感じさせながらも楽しませるという、大きな物語を語るチャンスだった」と自信をのぞかせている。 「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」は全国公開中。