神戸・日本最古の農村歌舞伎舞台、1日限定で公開/兵庫
現存する歌舞伎舞台の中で日本最古とされている「北僧尾農村歌舞伎舞台」(神戸市北区)がこのほど、1日限定で一般に公開された。2月から全面改修工事に入っていることもあって同建物の「茅葺き工事見学会」として行われたが、普段は入ることのできない舞台の中まで見学できた来場者は、江戸時代の舞台の仕組みなどに目を奪われていた。 農村歌舞伎は江戸時代に、農閑期に行われていた。当初は田んぼなどに仮設の小屋をかけ上演されていたが、後に神社境内の長床などが舞台として使用されるようになった。「北僧尾農村歌舞伎舞台」も本来は、北僧尾厳島神社の神事で用いる長床として建てられたもので、建築年を示す墨書が鏡柱の上部にあることから江戸時代中期の1777年(安永6年)の建築であることが分かっている。 現存する歌舞伎舞台の中で最古とされており、1970年には、兵庫県指定重要有形民俗文化財に指定もされた。指定後も3度にわたり改修を施してきたが「建物全体がゆがんで、かなりの部分の修復が必要になった」(神戸市教育委員会文化財課)。今年2月から10月までの予定で、全面改修工事を行っており、秋にも再度一般公開されることになっている。 (谷川しゅんき/関西ライター名鑑)