【桜花賞・生情報】決戦前日まで張り込んだ〝居残り班〟の特注馬 不当評価をはね返し〝孝行娘〟が大仕事へ
桜花賞2024
[GⅠ桜花賞=2024年4月7日(日曜)3歳牝、阪神競馬場・芝外1600メートル] 春の女王の座を巡り、18頭の競走馬がしのぎを削り合うGⅠ桜花賞。その決戦前日までトレセン居残り取材を続けた結果、1頭の存在が浮かび上がってきた。昨秋の未勝利戦は後続を2馬身突き放して快勝。続くGⅢフェアリーSでクビ差の接戦を制し、重賞初制覇を果たしたイフェイオン(杉山佳)だ。
ポジティブにはなれないフェアリーS?
ただ、一般的にはフェアリーS覇者と聞いて好感を持つファンは多くはないのかもしれない。2歳暮れに1200メートルとして創設。マイルに距離が変わって現在と同じ1月施行となった2009年以降に限っても、歴代の勝ち馬からは桜花賞馬が出ていない。こうした経緯が相まって、重賞勝ち馬にもかかわらず本番では人気を落としてしまうきらいがある。ただ、こうした逆風の中でも、本馬を管理する杉山佳調教師は一発ムードを漂わせる。 6日はウッドで軽めの調整。トレーナーは「昨日は川又ジョッキー(レースは西村淳)に乗ってもらい、角馬場からゲートの確認をしてもらいました。川又ジョッキーには夏の函館で乗ってもらっていましたが、『ずいぶんと良くなりましたね』と言っていましたよ。今朝も、運動に行く前の歩様も良かったですし、ウッドでガス抜き程度の運動。寒暖差を気にしていましたが、特に疲れはないですし、至って順調です」と充実ぶりをアピールしていた。 引いた枠順は2枠3番。こちらに関しては、「いい枠ですし、土日のレースで馬場傾向を見ます。1頭2頭行く馬の後ろで、平均ペースになって、前走のように流れに乗れればいいですね。ジョッキーには気負わずに乗ってくれたら」と笑みを浮かべたトレーナー。 西村淳の進言もあり、未勝利V後はフェアリーSへとかじを切ったイフェイオン。早めに重賞を勝つことができたからこそ実現した余裕あるローテーションが大きなメリットになるのは間違いない。厩舎に初めての重賞タイトルをもたらせた孝行娘が桜の女王の座まで一気に上り詰める。
東スポ競馬編集部