プロスピーカーが解説「立食パーティーで初対面の相手になんて声をかけるべき?」
ビジネスの場やパーティなどではじめて会う方にどのように声をかければいいのか迷ったことはありませんか? 「どこの会社の方ですか?」「どんなご友人ですか?」といきなり相手に踏み込むのは失礼な気がするし、「はじめまして。私は〇〇出身で……」と自分のことを話しすぎるのも厚かましい気がする。 【写真】スピーカー界のアカデミー賞を受賞した信元さんの「伝える力」とは どのように声を掛ければ良いのか、大きなヒントを教えてくれたのはNYでプロスピーカー&戦略コンサルタントとして活躍する信元夏代さん。 信元さんは「日本生まれ日本育ち」にもかかわらず、国際スピーチコンテストで日本人初の地区大会優勝5連覇を果たしているまさにまさに伝えることの「プロ」。 さらに2024年、スピーカー界のアカデミー賞とも言われる秀逸なエリートスピーカーにのみ与えられる「CSP®」(Certified Speaking Professional)の称号を獲得されました。CSPを保持しているのは世界で数百人のみで、日本人として初の快挙です。 そんなプロスピーカー信元夏代さんによるFRaU web連載「伝え方を鍛える」(毎週月曜更新)では、日々のコミュニケーションの悩みを取り上げて、今日から使えるメソッドをお伝えしていきます。 第3回目は「ビジネスの場での立食パーティー、初めての相手にどう声をかければ良いの?」をテーマに今日から使えるテクニックを教えていただきます。
ビジネスの場での立食パーティー、初対面の相手にどう声をかければ良いの?
私はNYに29年住んでいて、アメリカと日本の違いを肌で感じてきました。同じシチュエーションでもアメリカと日本では答えが変わってくるんです。 自分から話しかける内容についてお伝えする前に、異文化理論の話から日本のコミュニケーションの特徴についてお話させていただきますね。 まず、大事な2つの概念についてお伝えします。 ---------- 1,「高コンテクスト」「低コンテクスト」 異文化理論でよく使われるフレームワークに「高コンテクスト」「低コンテクスト」というものがあります。異文化コミュニケーションの先駆者であるエドワード・T・ホールさんが提唱した概念なんですが、「高コンテクスト」は日本らしく多くを言わずに察する文化のこと。「低コンテクスト」はダイレクトに話す言葉の文化。目配せをして「あぁ」ではわからないからしっかり言葉で伝えましょう、という文化です。 高コンテクスト文化の日本は、婉曲的だったり相手に察してもらったりオブラートに包んだ伝え方をする表現が特徴的です。 ---------- ---------- 2,「国民文化6次元モデル」 もう1つはヘールト・ホフステードさんというオランダの学者が唱えた「6次元モデル」というもの。人の価値観が文化によってどのように変わるかをリサーチしたものです。 世界には大きく分けて、集団主義的文化と個人主義的文化の2つがあります。 日本人は前者、アメリカは後者。日本はまわりとの調和が大事で個をあまり立ててはいけない、周りの空気を読みましょう、という傾向があります。 ---------- この日本人のコミュニケーション傾向を踏まえて立食パーティーで声をかける場合は、相手にフォーカスした会話よりも「周りから入る」会話が良いと言えます。