ズワイガニのブランド適正化に向けた研修会で、水産物のブランド構築について話す鳥居准教授（舞鶴市下安久・府漁協舞鶴支所）

　4月に発覚した間人ガニ産地偽装を受け、京都府舞鶴市下安久の府漁業協同組合舞鶴支所でこのほど、ズワイガニのブランド適正化に向けた研修会が開かれた。漁業者や流通事業者ら約90人が水産物の商品管理について学び、11月6日のズワイガニ漁解禁・初競りを前に信頼向上へ決意を新たにした。 　府漁協が立ち上げ再発防止策などを協議してきた「京都府産ズワイガニのブランド適正化協議会」が主催。鹿児島大水産学部の鳥居亨司准教授（水産経済学）が講演した。 　鳥居准教授は、ブランドを判断するのは買い手であり、水産物の場合は生産者や漁協から、仲買人などの流通業者、小売店や飲食店まで「一緒にブランドをつくり上げるという意識共有と責任感が不可欠」と強調し、各地でのブランド化の成功例、失敗例を示した。 　参加者に「信頼関係の構築は時間もかかり大変だが、失うのは一瞬」として「少なくとも生産者の中から不正を出さないことが非常に重要」と呼びかけた。 　府漁協は今季から通し番号を記載したタグを全てのカニに取り付け、ホームページ上のデータベースで水揚げ日や漁船が確認できる仕組みを導入する。間人漁港所属漁船の佐々木学船長（49）は「再発防止に向けては、きちんと管理することに尽きる。相変わらずおいしいと言ってもらえるように頑張りたい」と話した。